過去2年、タイトルを惜しい所で逃してきたエスパルス。2010シーズンは、MF小野伸二らの加入、そして攻撃的な4-3-3システムの導入で「優勝」の二文字が現実に近付いたが、またしてもあと一歩のところで叶わなかった。
例年、序盤戦は苦しい戦いを続けてきたエスパルスだが、この年はスタートダッシュに成功する。新加入の小野が攻撃陣の核として機能し、チームは開幕から得点を量産。第12節を終えて首位に立つという快進撃を見せた。
しかし、岡崎慎司も出場した南アフリカ・ワールドカップによる中断期間を終えて迎えた夏場、思うように勝ち点を伸ばせずに徐々に順位を下げ、終盤に盛り返したが、最終的には6位という結果に。タイトル獲得の可能性を感じさせたものの、悔しい結果に終わった。また、ナビスコカップでは、3年連続のベスト4進出を果たしながら、準決勝で広島に敗れた。
しかし、天皇杯では横浜FM、山形、G大阪らを下して決勝進出。11月にシーズン終了後の退任が発表された長谷川健太監督に初タイトルをプレゼントすべく、チームは一丸となって元日のファイナルを戦ったが、強豪の鹿島に1-2で敗れ、準優勝という結果で2010シーズンの戦いを終えた。
そして、このシーズンをもって、長谷川監督のほか、長らくチームの中核を担ってきた伊東輝悦と市川大祐など、多くの選手・スタッフがチームを去ることに。エスパルスの歴史において、一時代のピリオドが打たれたシーズンと言えるかもしれない。