今季リーグ前半戦最後の試合になる。エスパルスは、4勝6分6敗で勝ち点18の13位。勝ち点差6、降格圏の16位札幌との対戦は、前節に続き勝利が必須の試合になる。

エスパルスは前節、リーグでこれまで勝てていなかったアイスタでの試合。甲府を相手に、両チームとも堅い試合になった。前半は、ともに攻め手を欠く試合になったが、後半に入ってエスパルスがセットプレーのチャンス。60分、チアゴ アウベスのコーナーキックに、カヌが落として二見宏志が右足で豪快に押し込んで先制する。この二見の移籍後初ゴールを、最後まで無失点に抑えて10試合ぶりの勝利となった。そして、それが今季ホーム初勝利。ようやく肩の荷がおり、今節に向けても心理的な余裕ができたことだろう。

一方の札幌は直近の公式戦では、水曜日にホームでルヴァンカップ プレーオフステージ第1戦を戦っている。C大阪に、前半アディショナルタイムに左サイド関口訓充のクロスにリカルド・サントスに決められると、58分には同じく左サイドの田中裕介のアーリークロスに、ファーで福満隆貴にワントラップから叩き込まれ追加点を許す。札幌は80分から都倉賢を投入もゴールを奪うことができず0-2で敗れている。

リーグ戦からメンバーを入れ替えて臨んだため、この試合が札幌の全てではないことは確かだ。しかし、リーグでは現在6連敗中、さらに天皇杯2回戦では福島県社会人サッカーリーグに所属するいわきFCに2-5で敗れるなどチームとして調子を落としている。

ただ、だからこそ「やりにくい」と小林伸二監督も話している。札幌としては前節アウェイで柏に1-2で敗れ、ついに降格圏に突入。この試合にモチベーションが高いのは容易に想像ができる。また、札幌ドームで戦うということもエスパルスにとっては試合を難しくさせる一つの要因だ。

エスパルスは昨季、札幌ドームで痛い負けを喫している。序盤の早い段階から失点を重ね、前半を0-2で折り返す苦しい展開。しかし、終盤に北川航也のゴール、さらに鄭大世の「昨季ナンバーワン」と本人も自画自賛する強烈なヘディングシュートで84分についに同点に追いつく。その矢先だった。90+4分、福森晃斗のFKがエスパルスディフェンス陣の裏に出されると、札幌ドーム特有の芝にボールが止まり、都倉に走り込まれて決勝ゴールを決められた。

まずは、この特別な環境に対応すること。札幌は今季ホームで3勝2分3敗とまずまずの成績を残しているが、特筆すべきは昨季の結果だ。昨季はJ2で17勝3分1敗と圧倒的な強さを見せており、地の利を生かした戦い方をしてくる。

「裏への対応は注意しなければいけない。自分も相手のセンターバックへのプレスを頑張るので、ディフェンス陣には裏への対応を頑張って欲しい」（鄭大世）
とチーム一丸となって相手の特徴を消すことになりそうだ。エスパルスはこれまでも勝利を収めた試合は全て無失点に抑えている。引き続き、守備からという意識を持たなければいけないだろう。そうすれば、攻撃陣がゴールを奪ってくれることはもちろん、ルヴァンカップ予選第7節、天皇杯2回戦、そして前節と、ここ最近エスパルスの武器となりつつあるセットプレーでの得点にも期待できる。

「やっていることは間違いない」
と前節ゴールを決めた二見も自信を持っている。

今節、勝利を収めることになれば勝ち点21となり、残留争いに巻き込まれるというプレッシャーはさらに軽減され、また順位も上げられる可能性もある。そして連勝となればチームの雰囲気もさらに上がることは間違いない。後半戦に良いスタートを切るためにも、ここ最近苦手にしている札幌は確実に叩いておきたい。

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