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【2018年度 決算発表記者会見】会見レポート

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本日、静岡市内にて行われた2018年度決算発表記者会見のコメントは以下の通りです。


<左伴繁雄社長 コメント(抜粋)>

会見に先立って行われましたエスパルスの定時株主総会および取締役会にて、現任の取締役、監査役が重任、また代表取締役についても、会長 鈴木健一郎、社長 左伴が重任として承認されたことをご報告させていただきます。

昨年度24期の業績については、当期純利益で256百万円の赤字を計上し、純資産は23百万円ということで、クラブライセンスに抵触するまでには至らない範囲で計上いたしました。
2018年度は197百万の赤字予算でスタートさせました。職員から見ると、予算を達成しても赤字という不本意なことですので、これについては代表としての責任を持たなくてはいけないという意思表示を込めて、取締役会に諮らせていただいたものです。

2018年を迎えるにあたり、最も気にしていたことはトップチーム編成の規模です。その前年の2017年、主力を含め延べ16人の怪我人が出ました。昨年は怪我人を少なくすることを考えつつ、一方ではダウンリスクを考え、ある程度の選手は保有しておくほうが安全だろうと、強化費を上げて通常より多い36名で出発しました。
二つ目に、2017年は固有の収益が相当額ありました。創立25周年特別協賛や記念グッズの売り上げなどが、2018年は無くなりました。強化では多めの選手を抱えるということ、売り上げでは25周年関連の収入が減ってしまうことを、どのように予算の中で見ていくか。結論としては、一桁順位を達成していく、監督が代わって使う選手の趣向が変わってもチョイスしやすいように、ある程度多めの人数を抱えておく体制を取ることを、収益が落ちることよりも重んじた予算を作った結果がマイナス197百万円です。
具体的には法人の大口協賛が210百万円、その他2017年度固有の落ち幅が430百万減収になるだろうということ。また、多くの怪我人や補強選手がフィットしきれなかったことによる前年度の不甲斐ない戦績の払拭、監督交代による選手起用の趣向の変化に備え、多めの強化費を大幅に積んだ結果、プラス180百万円、これで前年から収益ベースで610百万円収益が悪化する計算になります。
一方、毎年100百万円から200百万円の新規増額を積み上げてきたパートナー営業を中心に、3軸営業(興行、広告、物販)で過年度の実績を踏まえて、対前年410百万円をプラスした結果、差し引き予算上は197百万円マイナス予算のスタートとしました。

営業が新規増額で過去最高の265百万円を売り上げてくれました。予算ベースでも対計画53百万円プラスとなりました。対前年でも、前年の広告収入には追い付きませんでしたが、300百万円以上の減額をほぼ補ってくれるプラスを出しました。次に呉選手や犬飼選手の違約金で強化収入が大幅に予算を超え、136百万円となりました。
また、費用の削減では、ヨンソン監督が若い選手を積極的に起用してくれた関係で出場給が抑えられ、プロ人件費が計画から55百万円下回りました。3軸営業や違約金の収入とプロ人件費減ということで244百万円の収益を改善することができました。

この時点では予算197百万円の赤字をプラスに転じさせましたが、この後、経営の判断から計画外として使った科目があります。創立25周年を節目とし、ここ数年低迷を続けてきたエスパルスの浮揚のため、会社全体としてのブランドを再構築していく費用を投資として使っております。また、事業を拡大していく、あるいはマネタイズポイントを増やしていくため、私たちの経験だけでなく社外のベンチャーの方々のお知恵を拝借していこうというイノベーションラボの取り組みを行いました。これにかかった費用として合計47百万円を予算外として計上しております。
また、ドウグラス選手の獲得は予算にはありませんでしたが、5月に契約満了となり、また日本でサッカーがやりたいという本人の希望と故久米副社長の強い意向もあり、恐らく冬の市場まで持ち越したらエスパルスの財力では獲得は不可能だろうと意を決して夏に獲得しました。
また、故久米副社長の葬儀に際しては、会社として送り出したいという気持ちがありましたので、特別損失として19百万円が入っております。したがって私や取締役会で決めさせたいただいた計画外の費用約150百万円を計上しております。
このような計画外が無ければ赤字の額が256百万円から100百万円を少し切るくらいの額になっていました。ただ、この投資については昨年、絶対やってしかるべきということでやりました。また、ワールドカップの影響による過密日程が興行収入や物販収入の悪化となり、46百万円マイナスとなりました。収益を改善したプラスの要素にマイナスの要素が295百万円の損益悪化となり、最終的に256百万円の赤字となりました。
赤字規模は増えましたが、当時最終戦でやっと残留を決め、怪我人の多かったチームを昨年は一桁順位でコミットさせていただく上では、投資規模を上げて人数を多めに持っておくという判断で、私は間違っていなかったと思っております。

今年度については、まず適正利益を確保するということ。これまで売りを重視した経営をやって参りましたので、パートナー社数や物販収入は好調に上がってきております。ただ昨年度は、それ以上の投資をして赤字を出しましたので、今期についてはしっかりとした予算を作りました。具体的には投資としての強化費はほぼ横ばいの1,850百万円強です。昨年、高報酬で試合に絡まなかった選手が多くおりました。そのような選手が移籍し、実働効率の高い選手構成にしております。結果的には投資規模は変わらずに陣容が強化されたと思っております。ただ、昨年後半の快進撃について選手たちが異口同音に言っているのは、試合に絡まなかったBチームのベテラン選手がチームを引っ張ってくれた、Aチームを鼓舞してくれた、紅白戦の質を上げてくれた、そのような選手の分まで戦うという気持ちにさせてくれた、いわゆるプロフェッショナルな選手たちがいたからということでした。その選手たちを失った今季は、まだ始まったばかりですが、サッカーにどう影響してくるか見極めていかなくてはいけない課題があると思っております。

また、赤字を解消していくために、パートナー収入はこれまで通り100百万円近い新規増額を行っていくわけですが、今回、一般の消費者の方々に値上げをさせていただいております。チケットとスクールも自己運営のため値上げをさせていただいた分の総額が約250百万円入っております。営業がこれまで通りプラスをさせていき、値上げ分と合わせて会社を安定させていくということで、総売上は4,132百万円という計画になっております。単年度黒字はもちろんのこと、できれば過去の負債を埋めていければと思っております。
その一つとして、例年違約金収入は過去平均値を予算計上しておりましたが、今年度の予算上はゼロにしております。したがって、違約金が伴う移籍があった場合はプラスが付きます。また、ルヴァンカップはベスト4という目標を作っておりますが、予算上はグループステージまでとしております。よってプレーオフやノックアウトステージに入った場合、興行収入はすべてプラスに入ってくることになります。

今年、チームはこれから浮揚していくと思います。何人か怪我人が出ておりますが、それに代わるメンバーも出てきてシーズンを戦っていきます。経営の方では、昨年、事業拡大のために、どうしてもやっておかなくてはいけないブランディングやイノベーションラボなどの初期投資をしましたが、今年はランニングでしっかりとした予算を作って、あわよくばプラスを出させる仕掛けも作っておりますので、チームと共に目標達成するための努力を現体制にてさせていただきたいと思っております。


<質疑応答(要約)>【PDF】
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