シーズン終盤から怒涛の9連勝でJ1復帰を勝ち取った16年シーズン同様、最終節までしびれる展開が続いた。
ホームアイスタで迎えた開幕神戸戦。71分に橋本和にゴールを奪われ黒星スタートとなってしまう。しかし、第2節アウェイ広島戦は、鄭大世のPKを守り抜きシーズン初勝利。翌節のアウェイ新潟戦は、枝村匠馬のクロスに鄭大世が頭から飛び込んで先制すると、さらにアディショナルタイムに松原后が果敢に攻め上がって追加点を決め、連勝を決めた。
第5節は4年ぶりの開催となる静岡ダービー。磐田に立て続けに3失点を喫したエスパルスは、アディショナルタイムの鄭大世のゴールが精一杯だった。リーグ連敗となってしまったが、続く第7節柏戦は見事に立て直して3勝目。シーズン序盤、まだ滑り出しは良かった。
第8節川崎F戦では、Jリーグ史上に残る出来事が起こった。14分、鎌田翔雅のパスカットから右サイドの鄭大世に展開。鄭大世のクロスにファーで合わせた金子翔太のゴールが、J1通算20,000ゴールというメモリアルゴール。日本サッカー界にその名を刻むことになった。また、この試合、3月29日にアル・ヒラル(サウジアラビア)から期限付き移籍で獲得したチアゴ アウベスが途中出場。アディショナルタイムに移籍後初ゴールを決めている。
前半戦最後の試合となった甲府戦で勝利し、4勝6分7敗の13位で折り返す。
後半戦に入ると第18節G大阪戦、第21節C大阪戦と、上位進出を目論むチームから連勝。ホーム3連勝を決める。その後、勢いに乗るかと思われたが、第22節で柏に4失点を喫するなど守備陣が耐えられず、今季初の3連敗。第25節甲府戦に勝利したものの、そこからリーグ8戦勝利なしと泥沼の状態となる。下位チームが着々と勝ち点を上げるなか、混迷を極める降格争いに巻き込まれることになった。そして勝利以外は降格の可能性のある最終節を迎えることになる。
その神戸戦、13分に渡邉千真に先制を奪われる苦しい展開。その悪い流れを救ったのは若きストライカーだった。直後の19分、エリア手前からのFKを獲得。これを北川がバーに当てながら直接決めて同点とする。26分には、夏の移籍でエスパルスに加入したものの、なかなか結果を出せなかった増田誓志がこぼれ球に右足を振り抜いて逆転ゴール。後半に入ると57分に、キャプテンの鄭大世が3点目を挙げて完勝となった。
この結果、エスパルスのJ1残留が決定。順位も1つ上げて14位フィニッシュとなった。