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【2019シーズン新体制発表記者会見】記者会見レポート③ クラブ方針発表2

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今季は会社もチームも勝負の年と位置付けております。でなければ昨年夏に大きな補強はしませんでしたし、前年より収入が間違いなく構造的に落ちますが、強化の投資を行った意味が全く無くなります。チームはトップ5、中期3カ年計画では7位以内と書いてあったと思いますが、初年度は一桁順位の8位と来てますので、まずはトップ5を狙いに行く今季をスタートさせるため、オフの補強やチーム編成を強化にしてもらいました。前年、上位でも翌年降格したり残留争いしたりするクラブは多々あります。私も過去にそういう経験をしたことがあります。それには一定の傾向があって、クラブは翌年サッカーのスタイルを変えてみたり、監督が変わって選手の一体感が崩れていったり、あるいは大量の怪我人が出て当初見込んでいた主力が使えなくなった。前年良い成績ですと、どこかしら無理をさせているところがあって、多くの怪我人を抱えることがあります。年齢の編成が世代別に上手くバランスが取れていないチームも、前年良い成績で翌年成績が下降してしまいます。

エスパルスの場合は世代別の年齢構成のバランスが取れています。これは過去指揮をしていただいた監督さんたちの成果ですけど、辛抱強く地元出身の選手や若手を使い続けて、昨年はスタメンを張れるくらいまで成長した若手がおり、また中堅がおり、ベテランで若手の指針になるような選手が在籍して、年齢バランスが整っております。サッカーについても、ヨンソン監督に続投してもらいますが、ヨンソン監督のサッカーは大枠を提示して小枠は選手たちの考えに任せるというよりも、聞いた上で味付けをしていくようなサッカーをしています。選手たちにとってもそれはハッピーな指導法であって、築き上げられたサッカーで7戦負けなしと、徐々に熟成が図られてきておりますので、このサッカーをブレさせる要因はないと思います。

またケガ人が大幅に減りました。ヨンソン監督の考え方の中で、コンディショニングについては休息ということに非常に重きを置いて、それから個別のコンディショニングにも重きをおいて監督業をやっていただいておりますので、ケガ人がすごく少なくなりました。今年も同じように大きなケガはないと考えておりますので、世代別の年齢構成バランスや、やっているサッカーの軸がブレないことやケガ人が少ないことを考えますと、昨年の成績に上積みをさせたチームになれば、成績も自ずと上げるコミットをするのが筋だということで勝負に出た次第です。






また、経営の方も単年度黒字を当たり前のようにやらなければいけないのですが、これまではどちらかというとチーム編成上、先を見越したチーム編成をした関係で、お金を身の丈よりも少し多めで使って参りました。また、昨年のドウグラス選手のように先行投資もして参りました。また、一昨年怪我人が多かったこともあって多めの人員を持ちました。J2に落ちないようにということから、今度は一桁順位を狙うように継続的に目標を上げていく中では、多少の歩留りを覚悟して投資をしましたが、今年度以降については、ある程度外堀は固まったという前提で黒字を狙い、それに従って必要な費用を効率的に使っていくという考え方にして、単年度黒字を達成するということを目標としてコミットさせていただきました。

2019年度として中期3カ年計画の中でも力を入れていく領域についてですが、まずは強化のゾーンであります。強化は中期計画で細かくチーム編成からインフラ、選手の管理に至るまで規定がされており、それに従って現強化が仕事をしています。その中でも特に意識したいのは昨年のサッカーの継続を、それから深化をさせていくということ、それから守備では、まだ失点が得点の割に多い。得点はリーグで上の方にいますが、失点多かったということで、守備については練習や、補強の面でも常々意識していかなければいけないところです。

コンスタントに上位にいるための最大原則として、年代別の新陳代謝を考えること。若手は若手、中堅は中堅、ベテランはベテランでバランスの取れた人員を常々ポジション別に意識して編成をしていく。ヨンソン監督がやっている限りでは、そういった新陳代謝に関してもよくやってくれていると思います。


育成の方は、チームとして結果を出すことよりも、プロでやっていける選手を育成することです。ジュニアからユースに到るまで、これを前提にチームを組んで、育てて欲しいと言っております。昨今、栄養管理等で大人の体を作っていく、鋼の体を作っていくということが話題になっておりますが、練習方法や個人の人間管理なども含めてプロアスリートであるために、この年代で何をしていくのか、コーチの方々には常々意識してもらうようにお願いしてあります。


一方、管理面ですが、昨年不祥事がありました。大変ショッキングなことでしたが、規模が大きくなり、人が増えていく、あるいは会社が右肩上がりで社内がポジティブシンキング思考に変わっていくと、必ず落とし穴があります。規模を大きくしていく時には、必ずガバナンスを強くしていかなくてはいけません。小さい会社の時は1円、2円を大事にしていたのが、大きな会社になってくると1円、2円くらいという感覚が、もしかしたらできてしまう危険性も無くはありません。このガバナンスを強めていくということになります。それから社内のデータのセキュリティを上げていくということで、ITの強化です。実際は値上げとセットで考えていくべきものとして、サポーターの皆さま方がスタジアムにご来場いただいた時への、サービスにデジタル化というものは強いツールになっていきますので、そこも強化します。

それから、年代別の新陳代謝をはかっていく上で、自前で若い選手たち、これはトップだけではなく、育成の部分でもスカウティングをしっかりやって、エスパルスに入ってくる選手の、プロのアスリートを目指す資質があるかどうかの見極めをする精度を上げていくということで、現役を引退した植草(裕樹)くんとか、兵働(昭弘)くんなど違うクラブでの経験、違う地域でのサッカーを見てきた人間で多面的に年代別の候補となる選手たちを分析、評価するために入ってきてもらいました。強化部の中に、スカウト部を新設して、有望な選手の発掘を多面的評価で行っていきます。




組織面で大幅に変えたのは、お客様に対しての私どもの会社としての価値を他のクラブ対してに誇れるようなブランドをご提供する上で、物販やスタジアムでの興行面で、「清水エスパルス」ということをアピールするためにブランドを中心とした事業本部を作っています。

それから、もう一つの柱のガバナンスという部分では、これまでの総務室を管理本部ということで格上げし、経理部も新たに作って、今般のような不祥事を二度と起きないような強固な体制を作っております。経理部には、金融機関の方から人をいただき、これまでの経理業務、それから業務との間でのお金のやりとりについては、厳格に運用していくいうように、組織だけでなく業務運用の方でもガバナンスの強化に努めております。

また、デジタルマーケティング部というのを、ブランディング事業本部の中に作りましたが、これは社内のガバナンス強化のためにITの対応だけでなく、お客さまサービスを積極的に行っていく上での、母体となる部です。ここはIBMさんと一緒に仕事をやっていく受け皿となってもらいます。

これまで大営業本部というものがありましたが、一定の運用成果を収めたということで、パートナー営業は、これからは数で稼いでいくことを志向しなければなりませんので、少しスリム化させ、営業本部としてパートナー営業を専属でやってもらう。残りはブランディング事業本部として、常々ブランドを意識しながらスタジアムにいらっしゃる、物を買っていただく、あるいは会社からのメッセージを見ていただく、そういったお客さまに対して、清水エスパルスの有り様というものを意識したものを出していこうと考えております。

サッカー事業本部は、GMにGM補佐の大榎(克己)くんにやってもらうことになりました。亡き久米一正の薫陶を1年間受け続けた、受け止め続けた男ですので、彼のGMとしての采配は、亡き久米の采配と同じであると久米から聞いております。






最後になりますが、中期3カ年計画というものがあります。これは何も変わっておりませんし、変えるつもりもありません。この中から今回私どもが2019年度としてより力を入れて取り組む内容について、今お話をさせていただいたのですが、ポイントは勝負をかける年として皆さま方にトップ5、単年度黒字を果たすためには、まず消費者の皆さまにご理解をいただいて、今後法人からの収入に加えて、個人の皆さんからの収入を乗せていただいた上で、45億円に向かった新しい船出をさせていただきたいということです。

チームは昨年築いたベースを前提に新しい補強を加えて、昨年同様にスタジアムでブレない、7戦負け無しの時に展開させていただいたサッカーに、失点を減らす法則を入れ込んで、トップ5を狙ってやっていく。トップ5が狙えたら、これは亡き久米の言葉ですが、5位以内を狙うチームにしか優勝する権利はない、資格はないと何回も言われました。私もそれは体験済みでありまして、いきなり昇格してチームが優勝することはなかなかありません。やはり、常時トップ5に入っているクラブが、毎年優勝する権利を得るという資質を持ったチームだということを裏返せば、ベスト5に入るチームにならなければいけないと思います。それを今年改めまして、これまでの法人の皆さまだけでなく、個人の皆さんのご負担もお願いをすることを条件として、私どもが皆さま方に応えるコミットとしてここに掲げさせていただきました。

ご清聴ありがとうございました。



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