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【クローズアッププレーヤー】 #中原輝 「チャンスは自分で掴み取る。誰よりもギラギラと」

昨季、鳥栖から期限付き移籍で加入し、今季より完全移籍に移行した中原輝選手のロングインタビュー。吉田孝行監督の下でスタートした新生エスパルスにおいて、ここまでの日々でどんなことを感じながらアピールを続けているのか。内に秘めた熱い想いを聞いた。


1月30日公開/取材・文=平柳麻衣


『使いたい』と思わせるために

――今季、期限付き移籍から完全移籍に移行しました。新チームが始動してしばらく経ちましたが、心境はいかがですか。

「今は『もがいている最中』という表現が一番しっくり来ますかね。シーズンオフに新監督が決まって、自分なりに編成をイメージしてみた時に、本当にアピールしなければいけない、底辺からのスタートになるなと思いました。というのも、右ウイングにはFWタイプの選手が入るため、今のところは左ウイングをやることが多いですけど、タカさん(吉田孝行監督)が目指すサッカーでは、左は幅を取って張る選手のほうが生きやすいのかなと自分なりに解釈していて、それはあまり俺の得意とするプレーではないなと。ただ、いろんなタイプの選手がいる中で、必ずしも1人で運べる選手だけが求められているというわけではないと思うし、自分もできるだけのことをやってみようと捉えながら取り組んでいるところです」


――ポジティブに捉えるならば、他の選手と違った特徴を持っていることは強みになるのでは?

「ある程度の自由さがあったらそうなるけど、今はまだ新体制が始まったばかりで、まずは型にハメるというかチームの戦い方のベースをつくっている段階なので、前線へのロングボールも増えたし、自分の良さを引き出すのはなかなか難しいなと感じています。でも結局はプレーで見せるしかないし、今ある環境の中でも自分の良さを見せて、『使いたい』と思わせるためにやってやろうという気持ちですね」


――ここまでは吉田監督が神戸で培ってきた戦術をベースに落とし込んでいるところかと思いますが、印象はいかがですか。

「やっぱり神戸のように前線から最終ラインまで代表クラスの選手や外国籍選手が揃っていて、そういう選手たちがこれだけ強度やスライドの速さ、プレスの掛け方、ハードワークの部分を一つひとつ徹底的にやったら、それは勝つよね、と。吉田監督の指導を実際に受けてみて感じているところです。これからシーズンが始まっても神戸流を貫き通すのか、それともエスパルスにはこういう選手がいるからもう少し工夫が必要だよねとスタイルを徐々にエスパルス流に進化させていくのか、どう転ぶかは分からないですけど、どういう状況になっても自分は試合に出られるように良い準備をしていくだけですね」


キックの精度で違いを見せる

――昨季の振り返りになりますが、リーグ戦26試合に出場した中、主に右サイドハーフにおいてハイレベルなポジション争いを松崎快選手と年間をとおして繰り広げていた印象があります。

「もちろんお互い左利きで、たぶんJ2の時からお互いに存在は知っていたと思うし、刺激をもらう部分はたくさんありますよ。快が水戸にいて俺が山形にいた時には、対戦したこともあります。そういう存在がチーム内にいる環境が今までなかったので、新鮮でしたし、良い刺激をたくさんもらっていました。ただ、似ているタイプだと言われがちなんですけど、自分としてはまた少し違ったキャラクターだと思っています。去年に関しては、快のほうが先発で出ることが多かったし、チームを引っ張っていたのも快だと思うし、それに対して悔しさはありつつも、俺自身は自分のプレーをなかなか出せていなかったので、まずは自分が気持ち良くサッカーをしたいなという気持ちが強いですね」


――「良さを出したかった」のは、具体的にはどういった部分が挙げられますか。

「もちろんセットプレーのキックもそうですけど、やっぱり流動的にポジションを取って、味方と距離感良くボールを動かしながら攻撃でチャンスメイクをするのが自分の良さかなと思います。当然、状況に応じて速攻は必要だし、速攻も苦手というわけではないけど、チームとしてボールを保持している間に中を取ったり、逆サイドのボックスまで入って行けている時は、自分としては『良いプレーができている時』と言えるのかなと。ただ、タカさんのやるサッカーは色が強いというか、はっきりしているから、まずは強度の面をしっかり出すこと。あとはセットプレーにもかなりこだわっていると感じるので、そこで違いを見せていけたらいいと思っています」


――抱えている感情は様々あってもそれを表に出さず、日々自主練までコツコツと積み重ねている姿が印象的です。何が中原選手を奮い立たせてくれているのでしょうか。

「俺自身、今のような状況に置かれるのは初めての経験ですけど、感情を表に出したら試合に出られるというわけではないですから。どんな状況に置かれてもくさらず、自分が輝くためにやり続けることができなければ、どこのチームに行っても上手くいかないですからね。選手として、立ち止まったら終わりだと思うし、そもそも俺のプロキャリアはJ3からスタートしてるので、最初からずっとJ1に居続けることができている選手たちとはまた違う想いがあると思っています。チャンスは自分で掴み取らないと、生き残れない世界だから。そのためにどんなにキツいことがあっても今までも練習はちゃんとやってきた自負があるし、それはこれからも変わりません」


静岡の街全体が“エスパルスファミリー”

――今年で30歳の節目を迎えますが、ここまでのキャリアを振り返って。

 「熊本からスタートして、山形、C大阪とステップアップしていく中で、今でも良くしてくれる先輩たちをはじめ、いろいろな人たちと出会えましたし、いろいろな監督との出会いもあり、自分のサッカー観が少しずつ形成されてきたと思います。若い頃と比べたら経験値も増え、『こういう状況ではこうするのがいいかな』と考えてプレーできるようになりました」


――そういった経験を若い選手たちにも還元していきたいと思いますか。

「もちろん還元することも大事ですし、何か相談があれば話はしますけど、まずは自分が試合に出たいという気持ちのほうが全然強いですね。自分がプレーしたいのが一番だし、ベンチでもいいやとか、メンバーに入れればいいやという気持ちは全くない。途中出場でラスト10分、15分出るだけでも満足はできない。まずは試合に出ないと面白くないし、それぐらいの気持ちがなくなったら選手として終わりだなと思っているので、そこは若手に負けじと、若手よりもギラギラしながらやっていければと思います」


――プロキャリアの中で達成したい目標はありますか。

「昨季のインタビューでも話したと思いますけど、タイトルを獲りたいです。でも、自分がメンバー外でタイトルを獲っても面白くはないので、まずは試合に出ないといけないですね。今年で30歳だけど、誰にも負けたくないという気持ちは強くあります」


――静岡に1年住んでみて、街やクラブの印象はいかがですか。

「一番びっくりしたのは、ファン・サポーターがすごく多いこと。また、静岡の街を歩いたりしていてもサポーターの方から声を掛けられることも多いし、静岡の街全体が“エスパルスファミリー”みたいな、そんな雰囲気を感じます。そういった環境でプロサッカー選手として生活できることはすごくありがたいことですし、住みやすい街だなとも感じているので、あとはサッカー面を充実させること。それは自分次第だと思っています」


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鹿児島キャンプ最終日に行われた磐田とのトレーニングマッチに、2本目の途中から出場した中原。「まだまだ自分の特徴は出せない状況が多かった」と振り返りながらも、「チームとしての最低限のタスクをこなしながら、自分の役割を整理しながらできた。あとは得点に絡むとか、分かりやすい形でアピールしていきたい」とさらなる闘志を燃やした。


壁にぶつかっても、何度も這い上がってきた過去の経験が自信となり、中原を奮い立たせてくれている。ピッチに立つ権利を勝ち取り、明晰な頭脳と、光り輝く左足から繰り出すキックでチームを勝利に導いてみせる。


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