反町康治GMがチームの現在地や進む道を語るエスパルスアプリPREMIUMコンテンツ『GM通信』。第2回となる今回は、選手たちの心や人間性をテーマに、今のトップチームやユースチームに起きていることを語りました。そして前回に引き続きこのコンテンツの最後には、音楽好きでレコード収集家でもある反町GMのおすすめレコードをご紹介します。
4月22日公開/取材・構成=平柳麻衣
チーム作りの第2段階に移ったと言ってもいい
前回の本コンテンツで筋肉系のトラブルが減ったという話をしましたが、この1カ月では逆に増えてしまいました。とくに北川航也や松崎快など、今までのキャリアの中でもケガの多くない選手たちまでもが離脱となりました。その要因として考えられるのは、我々だけでなく試合自体の強度がリーグ全体として高まっていること。もちろんそれは分かっているので、それに見合うようなトレーニングをしているつもりではいます。
ただ、今季は試合日程こそ週に1試合がほとんどでそれほどタイトではないですが、始動から開幕までの期間が短く、十分なトレーニング期間がとれない中で試合を重ねてきて、徐々にその影響が出始めたとも言えると思います。一番良くないのは、ケガ人が多いから負荷を落として練習をしようとなると、これが負のスパイラルで、練習の負荷が高くないと試合の負荷が高かった時にまたケガをしてしまう。これを専門用語ではケガのパラドックスと言います。
だから練習の強度を落とさないでやり続けることが大事で、それでもケガ人が出てしまったらそれはもう仕方がない。我々に限らず、どこのクラブもケガ人が多いですからね。ただ強化の立場で言うと、例えば10人全く入れ替わっても戦力が落ちないような編成をしなければいけないというのは十分に感じています。そうなると紅白戦のレベルも上がってくるわけで、BチームがAチームと対等に戦えて、勝つような編成が一番望ましい練習の風景と言えます。
吉田監督は4バックの信奉者というイメージがありましたから、離脱者が増えた際の対応として3バックを取り入れたことには、私も少し驚きました。幾何学上というか、ピッチ上のスペースを満遍なく守るためには、ゾーンディフェンスをやっている場合にはやはり4-4-2が一番良いと言われています。3バック、言うなら5バックとも捉えられますが、5バックになるとやはり後ろに重くなり、相手陣内でボールを奪う回数が減ってしまいます。個人のスプリント力で良い形を作り出したシーンもありましたが、エスパルスが目指すスタイルとしてはあまりおすすめモードではない。
それでも吉田監督が3バックに踏み切ったのは、一つは相手チームのスタイルもあるだろうし、離脱した選手の代わりとして4バックに適正な選手がいない場合もあるわけで、それらを全部掛け合わせてゲーム戦術を組み立て、勝つ確率が1%でも高い選択肢で戦った結果ではないかと思います。一番悪いのは迷っていろいろなことをやって全部上手くいかないことですから、それは回避できましたし、逆に思い切ってやってみたことが上手くいけばオプションが一つ増えるわけなので、もちろんまだ問題はたくさんあるけれど、上手くチームが回っているほうだと思います。
ちなみに私が監督だった頃は、新潟や湘南ではずっと4バック、松本ではサイドバックの選手がいなかったのでやむなく3バック、北京五輪の時は予選では3バック、本大会では4バックでした。要はいる選手の特徴に合わせた柔軟性が必要で、そういう意味では今はチーム作りの第2段階に移ったと言ってもいいかもしれません。チームがやろうとしているベーシックな部分がある程度みんな身体に馴染んできたら、次は応用問題に走ってみる。そういう意味ではこんなに早く基本問題をしっかりとみんな習得できた点は評価できると思います。
チーム成績を見てみると、先月から今月にかけてはある程度波に乗ってきたかなと思いますが、こんなところで高評価なんて与えていたらダメだし、もっと上を目指さなければいけない。ただ、我々にとってはある程度計算ができるようになってきたのと、戦力的に足りない所も分かってきたので、来季に向けていろいろとリノベートしていく必要があると思っています。
チームとして安定してきた要因の一つとして、センターラインがある程度落ち着いていることが挙げられると思います。個人名を挙げるならば・・・
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