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【クローズアッププレーヤー】 #パクスンウク 「Jリーグで長くプレーできるようベストを尽くす」

今シーズン、韓国の浦項スティーラースから完全移籍で加入したパク スンウク選手のロングインタビュー。反町康治GMは「センターバック、サイドバックをこなし、時速35 キロを出せるスピードで相手攻撃の芽を摘み、広大なスペースをカバーする守備力と優先順位を間違えない安定した攻撃力」を評価ポイントに挙げている。韓国代表経験も持つDFに、加入からここまでの心境を聞いた。


取材・構成=平柳麻衣


チームの雰囲気はとても良く、まるで家族のよう

――日本での生活には慣れてきましたか。

「日本に来た当初はホテル生活で、普段とは違う環境の中で過ごしていました。その後、クラブが最大限のサポートをしてくれたため、より早く生活に適応できたと思います」


――静岡で行って良かった場所はどこかありますか。

「印象に残っている場所は、韓国の友人と訪れた日本平ホテルです。景色がとても素晴らしく、もともと行ってみたいと思っていた場所でもありました。来月は家族が来る予定なので、また一緒に訪れたいと思っています」


――静岡の街の印象はいかがですか。

「普段は静岡や東静岡周辺で生活しているため、それ以外の地域についてはまだ詳しくありません。ただ、静岡は自然が多く、静かで落ち着いた環境なので、とても暮らしやすいと感じています」


――ホーム・アイスタの雰囲気についてはどのように感じていますか。

「ホームデビューは途中出場した神戸戦(第3節)でした。その前の京都戦をスタンドで観戦した際、ファンやサポーターの応援の素晴らしさに感動し、『早くケガを治して、あの声援の中でプレーしたい』と強く思いました。そして神戸戦で実際にピッチに立ってみて、自分にとって韓国を離れてプレーしている中で、清水エスパルスの一員というだけで応援してもらえることは、とても幸せなことだと感じました」


――エスパルスというクラブの特色はどう感じますか。

「チームの雰囲気はとても良く、まるで家族のようです。以前所属していた韓国のチームとも似た雰囲気で、三保のクラブハウスへ向かう海沿いの道もどこか似ており、自然と馴染むことができました」


――神戸戦でデビューして以降、コンスタントに出場を続けていますが、手応えはいかがですか。

「神戸戦以降は、正直なところ心に余裕はありませんでした。ケガ明けでコンディションも万全ではなく、岡山戦では違和感を感じて途中交代しました。再発への不安もありましたが、その後しっかりケアを行ったことで検査結果も良くなり、自信を持って試合に臨めるようになりました」


タカさんが自分に期待し、信頼してくれている証だと感じた

――来日前と来日後で、Jリーグの印象に違いはありますか。

「イメージしていたJリーグと、実際に経験しているJリーグには少し違いを感じています。監督によって求めるスタイルが異なるのは当然ですが、タカさん(吉田孝行監督)のサッカーと自分が持っていたJリーグのイメージには違いがありました。ただ、それは全く問題ではありません。

現在のJリーグは、ヨーロッパに近づくために、よりダイナミックで強度の高い、縦に速いサッカーを志向していると感じています。一方で、自分がACLで対戦した頃は、どんな状況でもボールを繋ぐチームが多く、それが日本のサッカーの特徴だという印象を持っていました。ですがここ数年でトレンドが変わり、より強度が高く、スピード感のあるスタイルへと進化していると感じています」


――吉田監督の志向するサッカーは、Kリーグの傾向とはまた異なりますか。

「自分が思うに、タカさんのサッカーはヨーロッパ志向だと感じています。そして韓国のKリーグにもそれに近いスタイルのチームが2〜3チームありますが、縦に速いサッカーは韓国ではなかなか結果に結びついていないのが現状です。

韓国の上位チームはハイプレスを仕掛けてきますが、中位、下位チームはリトリートしてブロックを組むことが多く、それを崩すためにビルドアップを重視するチームが多いです。その中で、タカさんのサッカーはハイプレスを仕掛けてくる相手に対して非常に効果的だと思います」


――吉田監督の下でサッカーをする中で学びや成長を感じる部分はありますか。

「清水に来てからは初めて経験することも多く、まだ適応の途中ですが、タカさんの求めるプレーを継続していくことで、自分にできることが増えてきていると感じています。新しい学びも多く、この環境でさらに成長していきたいと考えています。

自分のプレーの特徴はビルドアップにあり、最後まで相手を見ながらプレーを選択できる点です。相手のファーストラインを突破し、チームを前進させることは非常に重要ですが、現在清水で取り入れている、オ セフン選手にボールを預けて起点を高くしながら前進する戦術には驚きと新鮮さを感じています」


――DF目線で吉田監督のサッカーにやりがいを感じるのはどんな部分ですか。

「ここ最近チームは3バックを採用していますが、自分はこれまでその形を多く経験してきたわけではありません。どんなシステムにも対応できる自信はありますが、チーム戦術だけでなく個人戦術の理解もさらに深めていく必要があると感じています。

アウェイの広島戦(第10節)では、これまでほとんど経験のなかった3バックの中央を任せてもらいました。試合前、タカさんから『日本語でのコミュニケーションはまだ難しいと思うが、振る舞いと姿勢でリーダーシップを発揮し、ディフェンスラインを統率してほしい』と言われました。

韓国では外国籍選手に対してメンタル面での要求を強くされることはあまりありませんが、それだけタカさんが自分に期待し、信頼してくれている証だと感じ、大きなモチベーションになりました。その結果、厳しい試合ではありましたが、自分のパフォーマンスをしっかり発揮できたと思います」


――ディフェンスラインを統率するには、より周りとの密なコミュニケーションが必要になるかと思います。

「試合中は比較的よく声を出すタイプです。浦項在籍時は試合を支配する時間が長く、その分、後方から声でサポートすることができましたが、日本では言葉の壁もあり、最初は英語でのコミュニケーションを考えていました。現在は通訳の李さんにサッカー用語を教えてもらいながら、日本語の習得にも取り組んでいます。ただ、試合中はとっさに韓国語が出てしまうこともあります(笑)」


――先日公開した井上健太選手との『三保クラブハウス通信』でも、スンウク選手が積極的に話す姿が印象的でした。

「普段は口数が多い方ではありませんが、健太選手とは気が合うと感じています。昔から縁があり、清水で再びチームメートとしてプレーできていることは、サッカーの魅力の一つだと思います」


――日本に慣れるという意味では、セフン選手のサポートもあったのではないかと思います。

「セフン選手の存在は自分にとって非常に大きいです。清水への移籍が決まった際には連絡を取り合い、『清水エスパルスのために頑張ろう』と話しました。海外で同じ韓国人選手がいることは心強く、Jリーグ5年目という経験もあり、とても頼りにしています。年下ですが、多くを学ばせてもらっています」


エスパルスへの移籍は、自分にとって正しい選択だった

――改めて、日本に来た経緯について聞かせていただけますか。

「日本でのプレーは以前から考えていました。昨年、軍隊チームを除隊するタイミングで移籍を検討し、実際に興味を持ってくれているクラブもあったと聞いています。しかし、浦項との交渉がうまくいかず、移籍は実現しませんでした。その影響で一時的にメンタル面でストレスを感じ、パフォーマンスを落とした時期もありました。

それでも、より良い選手になるために日常からサッカー中心の生活を続けてきたことで、今回清水からオファーをいただくことができました。清水エスパルスへの移籍は、自分にとって正しい選択だったと感じています」


――今回の移籍はスンウク選手のキャリアにおいてどんな位置づけですか。

「自分には新しい挑戦が必要でした。Jリーグ行きを決断した理由としては、2022年と2023年のACLで対戦した際に感じた環境の良さや、ファン・サポーターの熱気、サッカーに対する高い熱量があります。そして、韓国で通用したプレーが日本でも通用すれば、それは自然と自分のステップアップの証明になると考えました」


――吉田監督の下で、キャリアのある選手たちもさらに成長を遂げています。スンウク選手も成長を感じる部分は多いですか。

「今は『成長』というよりも『適応』の段階だと思っています。自分の持っている力を最大限に発揮できるようになった時に、成長を実感できるのではないでしょうか。現在は清水で多くを学び、それを自然にピッチで表現できるようになるまで努力を続けていきたいと思います」


――サポーターに見せたい、自分の一番の武器は何ですか。

「自分の武器は、対人の強さと正確なビルドアップです」


――これまでのキャリアの中で、スンウク選手のサッカー観に影響を与えてくれた人を挙げるとすれば、誰かいますか。

「K3リーグ在籍時に一緒にプレーしたアン ジェフンさんの存在は大きかったです。K1、K2での経験が豊富で、プレー面でも多くのことを学ばせてもらいました。あの時期に今の自分の土台が築かれたと感じています」


――最後に、今後の目標を聞かせてください。

「今後の目標は代表に選ばれることです。十分にチャンスはあると思っています。そしてこれからJリーグは大きな転換期を迎えます。百年構想リーグをしっかり戦い、2026-27シーズンに向けた準備も必要です。Jリーグで長くプレーできるよう、選手としてベストを尽くしていきたいと思います」


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一見、クールな佇まいながら試合や練習の前後にはチームメイトと積極的にコミュニケーションをとり、プレーでは球際や対人の強さを存分に発揮しているパク スンウク。彼の中で「適応」の段階から「成長」へとステップアップした時、どんな進化が見られるのか。


異文化も、新しいサッカー観も、目を輝かせながら何事も吸収しようと意欲的な彼の姿勢に、期待は高まるばかりだ。


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