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パルちゃんのメディカル講座

清水エスパルスはJリーグ・アカデミー事業のひとつとして、スポーツ医学講座を行っています。講座の一部を少年少女用に改編しました。内容の大部分は、清水エスパルスで日常行われていることの紹介でもあります。子どもたちが「ケガ」によって、スポーツを途中で断念することのないよう、私たちなりに貢献できればと考えています。

スパイク

画像:スパイク
左より 1.ブレード型、2.一般的円筒型、3.ハードグラウンド用

スパイクをデザインやメーカーで選んでいませんか?購入前に、自分の足の形をよく観察してみてください。幅広、甲高、細めの足なのか、各メーカーやスパイクの種類によって特徴があるので、自分の足にあったスパイクを選びましょう。

大きすぎたり小さすぎたりと、サイズの合わないスパイクは靴擦れを引き起こし、また思わぬケガの原因にもなります。特にジュニア年代は体格的に小さく、まだまだ技術も筋力も未熟な時期だからこそ、スパイク選びは慎重にしてください。

スパイクに関して、プーマジャパン株式会社 野口英規さんに聞きました。

「スパイクのアウトソールにはいろいろな種類があります。大きく分類すると、スタッドが固定式のスパイクと、取替式のスパイクに分類できます。日本では、取替式スパイクを使用するケースは少ないようです。Jリーガーでも、ポジション特性(主にゴールキーパー等)や、雨天・軟弱で荒れたピッチ状態の際に、「強いグリップ力」を必要として使用することはあります。しかし、日本での一般的なプレー環境(土のグラウンド/芝含む)では、固定式スパイクが適しているでしょう。 また、固定式スパイクの中でも、スタッドの形状や本数の違いで、それぞれ特長があります。

1.優れたグリップ力を持つ、ブレード型スタッドタイプ。
2.適度なグリップ力と回転性を併せ持つ、一般的円筒型スタッドタイプ。
3.多くのスタッドを配置する事で、硬いグラウンドからの足裏への「突上げ」を軽減し、安定性の高い、ハードグラウンド用タイプ。

様々な特長を理解した上で、重視するポイントからスパイクを選ぶことをおすすめします」

テーピング

画像:テーピング
練習前のテーピングを巻く様子

清水エスパルスの選手をはじめ、プロサッカー選手はテープを巻いて、いつも痛いのを我慢してプレーしているわけではありません。まずは治療することを第一に考えています。

テーピングは、筋や腱の補助的な目的、関節の保護やケガの予防として利用されているものです。スポーツにおける万能薬ではありません。特に子どものうちから、痛いからといってテーピングをすぐ巻いて練習を継続することはよくありません。まず痛みの原因を考え、医療機関に受診し、治療することをおすすめします。子どもたちがかかえる痛みの多くは、オーバーユース(使いすぎ)によるものです。テーピングをして練習を続けるのではなく、患部の休息が大切です。

アイシング

画像:アイシング
受傷(捻挫)後の内出血の一例

楽しくサッカーをしていても、どんなにケガの予防をしていても、突然ケガをしてしまうことは考えられます。そこで、もしケガをしてしまったら、以下の手順を参考にしてください。

受傷 → アイシング → レントゲン検査などが行える医療機関で受診

アイシングとは、氷を使った応急処置です。選手は練習後、痛みを感じる部分や、昔ケガをした部分にアイシングを行います。

アイシングに関するQ&A

Q1.どのくらい冷やせばいいですか?
A1.まずは15分と考えてください。ただし、冷やし過ぎは禁物です。15分冷やして1時間休ませてください。それを48時間、起きている間は続けます。

Q2.家にシップはありますが、それではいけませんか?
A2.ケガの直後はシップより氷のほうが効果的です。ただ、選手は寝るときに使ったりするようです。

Q3.グラウンドなどで氷がなく、冷やせない場合は、まず水で冷やしてもいいですか?
A3.体温より低ければ水でも構いません。

Q4.お刺身やアイスクリームを買ったときについてくる保冷剤も効きますか?
Q4.保冷剤は冷えすぎて凍傷になります。

Q5.選手が試合中に使っているコールドスプレーの効果は?
A5.コールドスプレーは一時的に冷やすだけで、用途が違います。

画像:アイシング

RICE
R=Rest(安静)、I=Iceing(冷却)、C=Compression(圧迫)、E=Elevation(挙上)

一番の目的は腫れの防止です。損傷組織の二次的な拡大を防止し、炎症反応を最小限に食い止めるために、RICE処置があります。RICE処置は医師の診察を受けるための前処置であり、運動をするための治療ではありません。受傷後48時間経過したら温めてもOKです。清水エスパルスでは交代浴やマイクロウェーブといった専用の治療機器で温めます。お風呂で温める選手もいます。

すり傷・切り傷

土や細かい石を含むグラウンドでは、どうしてもすり傷や切り傷はつきものです。まずは流水で洗浄してください。痛かったり、しみたりしますが我慢です。流水で洗うことが第一です。

日本のサッカー環境を考えると、まだまだ土のグラウンドでプレーすることが多いようです。また、土のグラウンドだけでなく、人工芝のグラウンドでもすり傷を負うことはあります。いわゆる摩擦による擦過傷(さっかしょう)です。まずは洗浄・消毒ですが、ひどい場合には必ず専門医(この場合は皮膚科等)に受診することをおすすめします。

画像:熱中症
練習中、選手が飲むドリンク。キャップの色でドリンクの種類を判別できる。

熱中症とは体の中の「熱さ」と外気温の「暑さ」によって引き起こされる様々な体の不調のことです。選手たちは熱中症を未然に防ぐために、水分補給はもちろん、体の熱を発散するため、汗でビショビショにぬれたシャツはこまめに着替えることをします。汗を出すために、たくさん着込むことはしません。「水分補給」とは体外に出した水分やミネラルなど(汗)を、食事や飲み物をとることによって補うことです。

私たちは日常生活でも、寝ていても汗をかいています。睡眠中はコップ1杯分の汗をかいています。もちろん、運動中には大量の汗をかきます。汗の元は、血液中の水分です。「汗をかく」ということは、体内から水分を外へ出してしまうということで、汗をかいたら水分を補わないと体によくないことはイメージできると思います。汗をかいても水分を補わない状態が続くと「脱水」した状態になります。この状態は体調が悪くなるだけでなく、危険な症状を引き起こす原因にもなります。この危険な症状に『熱中症』があります。

20年ほど前は、運動中に水分をとってはいけないといわれていました。しかし、体調のことを考えると、運動中に水分補給をすることは大切なことです。プールや海に入っていても汗はかくので、運動する際は必ず水分補給をしましょう。「のどが渇く」とは一種の脱水症状なので、夏場はこまめに水分を補いましょう。

選手は試合中ボトルで水分補給をしていますが、Jリーグの規定で、試合ではピッチサイドは「水」と決まっています。清水エスパルスでは、練習中、選手がスポーツドリンクやお茶などいろいろなものを選んで飲めるようしています。糖分や塩分、ミネラルを摂取するためにはスポーツドリンクは最適です。チームではスポーツドリンクを1.5倍に薄めて飲んでいます。汗をかくことで、ナトリウムやカリウムといったイオンが汗とともに体外へ排出されるため、スポーツドリンクはそれらを補うものとして速やかに吸収しやすいのが特徴です。ドリンクは冷たすぎず、甘すぎないように心がけてください。

画像:食事・休息
キャンプでのある日の夕食

自分の好きなものばかり食べないで、バランスのよい食事をこころがけましょう。炭酸飲料は糖分が多いため、飲みすぎには注意してください。食前に炭酸飲料を飲むと、満腹感を感じて、十分な食事をとれないということにつながります。その結果、体に必要な栄養を摂取できないということになってしまいます。

選手たちは随時、栄養補助としてプロテインなどのサプリメントを摂取しています。これはあくまでも一時的な補給ですので、選手たちはしっかりと食事を取っています。みなさんもサプリメントだけに頼らず、食事から栄養をバランスよく摂取することを心がけてください。

また、食事だけでなく、休息も必要です。連日試合が続く、練習が何時間も続くと、疲労が蓄積するばかりで運動における体力や技術の向上は望めません。大事なことは「運動・栄養・休息」のサイクル。この3つがそろってはじめて子どもたちの成長につながるのです。