年明け早々に斉藤俊秀が「日本プロスポーツ大賞」の新人賞を受賞するなど、縁起のいいシーズンを予感させて始動したエスパルスだったが、この年も悲願のリーグ制覇は叶わず、1stステージ7位、2ndステージ6位とそれぞれ中位に停滞し、年間順位5位でシーズンを終えることとなった。
そのなかでもチームの記憶に刻まれたのは、2ndステージ最終節。エスパルスは敵地に乗り込み、ジュビロ磐田との静岡ダービーに臨んだ。「我こそは静岡の盟主」として意地を見せ付ける恰好の機会となるはずだったが、結果は0対2の完敗。試合終了後、サポーターと優勝の喜びを分かち合う磐田イレブンに対し、エスパルスイレブンはただ悔しさを噛み締めるしかなかった。
さらにこの年、運営会社が経営破たんとなり一時はクラブ消滅の危機に瀕したエスパルスだったが、地元企業をはじめ多くの方々の支援と署名運動や募金によって、新たなスタートを切ることになった。
ただ一方で、クラブが危機を迎えたなかでも若年層の選手たちが奮闘。Jユースカップ初優勝、日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会3連覇など、チームに希望の光をともすかのごとく目覚しい活躍を見せてくれた。なお、この年から固定背番号制が導入されている。