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【決算発表記者会見】会見レポート

2017年4月21日

【決算発表記者会見】会見レポート

昨日(4/20)に静岡市内にて行われた2016年度決算発表記者会見のコメントは以下の通りです。


<左伴社長 コメント(抜粋)>

2016 年度はJ2を戦っていくということで、J1 に復帰することが、会社のトップチームに課せられた使命でした。会社は2015 年に3億円に及ぶ赤字を出してしまいましたので、単年度で黒字にすることも、会社として非常に大きな使命として取り組んで参りました。結果的には、その両方とも達成した年であったので、2016 年は会社を仕切る立場としては、大変満足しております。特にトップチームについても、事業・営業についてもミッションの達成の仕方が大変よく似ておりまして、最後の最後で目標を達成したというところがハイライトすべき昨年度の活動の特徴だったと思います。

トップチームは、攻守の切り替えの早いアグレッシブなサッカーとテーマを掲げましたが、当初 J2 の戦い方に馴染めなかったことや、長期に渡り主力の離脱が相次いだことで、序盤は大変苦戦をしました。しかし、後半は連勝をし、最終節の徳島戦で自動昇格を勝ち取りました。


最終戦で結果を出したという、尻上がりに成果を確実なものにしていったのがトップチームでしたが、フロントも同じで、当初 J2 に降格してしまうと大きな減収が見込まれてしまうと予想しました。入場料収入も落ち込みますし、それにより物販も落ち込みます。また、J リーグからの分配金も半分になってしまいます。そのような減収が多い中でも、1 年で J1 に戻るためには強化費は 絶対に落とさないという約束をしました。これは相反する条件でありまして、事業・営業でそれを達成するために、ますは減収分に相当する 4 億円を追加協賛で鈴与様からいただいております。加えて減額分を食い止めるという作業を 1 年間通してやってきましたが、年初に大口スポンサーを中心にさらに2億円の減収が発生してしまい、合わせて 6 億円に及ぶ損益改善をしなければ、黒字に変えることは不可能だという状況に追い込まれました。最終的にはチームの勢い同様、入場料収入も後半尻上がりに伸び、J2 降格による減収を最低限に食い止めました。また、こうした中でも、J2ながら40社以上の新規スポンサーを獲得する頑張りもありましたし、J1 に復帰したことにより、記念の物販、あるいはお祝い金といったスポンサー様のご厚情もいただきながら、1 月の最終月で単月予算の倍以上に当たる 1 億3千万円を営業が頑張って稼ぎ出し、そこで経常利益と営業利益を黒字にいたしました。チームが最終節で復帰を決めて、営業・事業は年度最終月で黒字を出した。この黒字の意味は 1 年で復帰することと同じくらい大きな重みがあると思っております。2 期連続赤字になりますと 3 期目の今年度はチャレンジャブルな予算立てが出来ず、必ず黒字を出さなくてはいけないという予算立てになります。そこでチームは折角 J1 に復帰をしても、潤沢な予算を割り当てることが必ずしも出来なくなってしまうかもしれません。J1 に定着して一桁順位を狙うという目標を立てましたが、それを裏付ける予算が確保出来ない危険性を孕んでいました。そこを何とか黒字に纏め上げましたので、今年度については、総売り上げにつきましても、トップチームの人件費につきましても、育成年代をもっと強くして、生え抜きの選手を早くトップに上げていくための投資も従来以上の増額を割り付けることが出来ました。2016 年に黒字を出した意味として、2017 年を攻めていくオペレーションを可能にしたとご理解いただければと思います。

2015 年度の 3 億円の赤字をどのように黒字にしたかですが、一般論として、単期で年商の 8%くらいを損益改善するということは、非常に難しいことです。そこを収益面で 2015 年比約 2億円の増収を果たしております。そして、なかなか目立たないフロントの努力の部分として、2015 年度比で 1 億円を超える費用の削減をしております。これは社内で縦割りをやめて、横軸でコストを見ていくコストタスクフォースという取り組みで推進してきました。この 1 億円のコスト削減活動が前年度対比で大きく寄与しています。今年度はそれに加えて、在庫の削減も併せて取り組みます。一人ひとりが積み上げていくセンシティブな取り組みですので、乱暴なことは出来ませんが、月次の中で進捗を透明にして、一人ひとりの提案が積み上がるような仕掛けを作りながら、コスト削減を色濃く打ち出していき、損益をしっかり確保していきたいと。そのベースとなる取り組みが、2016 年度に功を奏したということで、大きなコスト削減額に繋がりました。

2017 年度で特に申し上げたい点は、今年がどういう年で、J1 定着し、一桁順位を狙い、ひとまわり強いエスパルスを築いていくかということを、お金の面でお伝えしたいと思います。
今期 36 億 3,100 万円という予算を組ませていただきましたが、これは過去 13 年、エスパルスの中では最高の額です。昨年度、追加協賛を含めて 33 億 4,000 万円という実績を出しておりますが、今回は追加協賛なしの自力で 36 億円以上を叩き出すという取り組みをしております。チームも一桁順位で大変だと思いますが、フロントも同じように戦っていかなければ、過去最高の数字を作り込むことは出来ないと思っています。

そして、総費用が 36 億 3,000 万円ということで、その内トップチーム人件費を 14 億 1,000 万円で割り付けました。過去最高が 2010 年の 13 億 8,000 万円ですから、今回が過去最高の人件費となります。これを前提に今回のチームが編成されているとご理解いただければと思います。それを支える各収益源ですが、興行収入が昨年度比 1 億円以上の増収で 6 億円。これを人数ベースに置き直すと、ルヴァンカップも含めて平均 15,000 人、昨年より 4,000 人弱増える計算になる目標を設定しています。年間チケットは、J1 最終年の 2015 年よりもさらに増えて、5,000 席を越えるチケットをお買い上げいただいておりますので、大変心強いすべり出しになっております。また、開幕からのホームゲームにつきましても、大変高い目標をクリア出来ております。J2 になっても応援いただいた、スタジアムに来ていただいたファン、サポーターの皆さまが、J1に戻って同じように手厚く応援いただいている様が数字に表れており、 深く感謝をしたいと思います。

物販収入は昨年 J2 ながら J1 時代の実績を大幅に上回る 3 億 1,800 万円という売り上げを記録しています。これはJ1 復帰の記念物が 12 月、1 月で大きな数字を作ってくれたということもありますが、もう一つ、夏場に売り出した 3rd ユニフォームが一瞬で完売してしまい、大きな売り上げをいただくことが出来ました。今年度も同じような取り組みをまたやりながら、さらに大きな予算を立てております。

広告収入について、2016年度総額は J2 に降格したことにより、追加協賛の 4 億円を除くと落ちています。ただ、新規スポンサーは約 1 億円いただくことが出来ました。これは、エスパルスを支える地域の方々のサッカーに対する、或いはエスパルスに対する愛情が言葉だけでなく物心両面で支えていただいた数字として、大変ありがたく受け止めています。

スポンサー社数についても、2015 年度の 337 社から 2016 年度は 349 社と増えています。2017 年度は 2 月から 2 ヶ月が終わった段階で、新規増額のスポンサーの金額が 1 億2,500 万円と昨年を既に上回っております。多くの法人様には J2 に落ちても現状維持をしてもらい、J1 に戻って増額をしてもらうという大変ありがたいサポートをいただいていると思っております。

結果として、既にスポンサー総数も 404 社となっており、ここはエスパルスのフロントと地域の法人様が奏でる強みとして、これからも伸ばしていけるのではないかということも含めて、今年度は広告協賛を過去 13 年で最高額の 14 億 7,000 万円で割り付けをさせてもらい、このままの勢いを継続したいと。残り 10 ヶ月で、予算に対してあと 5,000 万円程というところまで来ておりますので、新規、あるいは増額で何とかクリアして、チームのサポートをしたいと思います。

一方、費用の方ですが、J2 に降格しても強化費は落とさないと言いながら、2015 年度の 12 億 9,100 万円から 12 億 4,800 万円と若干落ちていますが、この位の落ち幅であれば主力はある程度残るということです。逆に小林監督になって若い選手を使っています。若い選手の出場給は通常で割り付けた予算よりも安く、人件費としては下がっております。平均年齢 25、6歳で戦った若いエスパルスの出場給の薄さがこの数字に反映されているということであり、主力が欠けたということではないので、安心して見ておりました。2017 年度は過去 13 年で最高額というアップ幅ですが、36 億円を叩き出せれば、この数字はいけるということで、今のチームが編成されています。

また、育成費用は 1 億 4,300 万円だったところを、1 億 7,800 万円に、3,500 万円程アップさせました。これはJ1 に戻ったので何としてもやりたかったという昨年来からの思いがありました。中長期ビジョンでも申し上げましたが、自分たちが育てた生え抜きの選手が一日でも早くプロになってもらう、ひいてはトップに上がるだけでなく、U-23、そして市川大祐以来の A 代表といったところに選手を持っていくために、資金的裏づけをしたいということで増やしています。過日、ユースがドイツ・オランダ遠征に行って、同年代の選手と試合をやり、本場の体の大きさ、サッカーの強さ等を体感してきました。大変大きな実りになってきていますし、また、サテライトチームに加わってトップの選手と一緒に試合をして、過日仙台と戦って引き分けましたが、ユースの選手も立派に得点したり、トップの肌感というものを味わいました。そのような費用の原資として、この増額をあてがっております。先日もプレミアリーグで FC 東京にロスタイムで勝利しましたが、やはりトップでの経験が生きていると思います。もう一つ大きな増額の使途として、食育を本格的にやっています。ジュニアユースが昨年三冠を獲りました。あの年代は練習後すぐ補食を出しており、BMI と体脂肪率が各年代の代表クラスの理想の値に急激に近づいて行くといった結果が出ています。食育の未実施時と実施時の体つきの違いは、管理をしていてはっきりと判りますので、全カテゴリーで食育を、特に練習が終わった後の補食を取らす原資にさせてもらっています。先日、鈴与グループの SSK 様に食育パートナーということで増額をいただき、サポートをしていただいています。また、補食をしていく中で、遅い帰宅時間になってしまいますので、親御さんのご理解もいただかなくてはいけないのですが、概ね皆さんに好意的であり、サッカー処である地域の方々は理解があるなと感じています。


プロの人件費と育成費用の増額は、過去最高の 36 億円を捻出したから出来たことであり、それは繰り返しになりますが、1 月 31 日年度最終日で営業利益、経常利益、当期利益を黒字に揃えることが出来て、1 年で 3 億円の赤字を収益改善したということがベースにあり、このようなチャレンジした予算が立てられたと思っています。あとはトップチーム同様、この高い予算を対処すべき課題にしたがって叩き出していく、そしてコストを切り詰めていく取り組みを 1 年続けていきます。1 年で J1 に戻りましたが、本当の戦いはこれからであり、J1 で強豪になっていく上での、スタートラインに着いたエスパルスとしては、トップチームだけではなくフロントも手が届きやすい目標ではなく、常に上位チーム、上位のクラブ、上位の会社を睨みながら数字を作り、それに向かって戦っていきたいと思っております。