エスパルス2代目監督となったレオン氏のもと、堀池巧や三浦泰年らが加わり、新生エスパルスが始動した。「ボールを持ったら、ゴールへ一直線に突き進め」という同監督の指示を、誕生一年目のチームは真摯に実践した。記念すべきエスパルス初試合が開催されたのは7月4日、大阪・長居でのガンバ大阪戦。以降この日がエスパルスの誕生日として定められる。
Jリーグ初の公式戦となるナビスコカップで、いきなり快進撃をみせたエスパルス。9月5日の開幕戦、名古屋グランパスエイトに0対3と敗れたものの、試合内容には確かな手応えをつかんだ選手たち。続く横浜マリノス戦で公式戦初勝利を挙げたチームは、その後一戦ごとに自信を付け、ついに決勝へと駒を進める。
決勝戦の舞台は超満員の国立競技場。しかも相手はスター軍団のヴェルディ川崎と、これ以上ないシチュエーションに、エスパルスの選手たちは臆することなく果敢に立ち向かった。三浦知良の決勝弾により初代王者こそ逃したが、チーム始動からわずか数カ月での準優勝という快挙に、スタジアムのサポーターは惜しみない拍手を送った。