クラブは2月から株式会社エスパルスとして新たな船出を切った。6月2日、アルディレス体制3季目となったチームに、喜びの一報が届く。日本初出場となる1998年W杯フランス大会の登録メンバーに、伊東輝悦、斉藤俊秀の2選手が選出。さらに、当時の日本代表史上最年少出場記録を打ち立てていた市川大祐も、メンバー入りこそならなかったがチームに帯同することとなった。
そんななか、リーグ戦では澤登正朗がチームを引っ張り、この年プロ初のハットトリックを達成した。W杯が閉幕すると、チームは連勝街道を突き進み、8月にはAFC月間最優秀チームの栄誉に輝く。しかし、最後は得失点差でジュビロ磐田に及ばず惜しくも2位で1stステージを終えると、2ndステージでも5位。またしてもリーグ優勝の栄誉に輝くことはできなかった。
リーグ戦終了後、アルディレス監督が退任し、チームはペリマン監督体制へ。天皇杯では初の決勝進出を果たし、クラブふたつ目のタイトル獲得を目前に捉えたものの、チーム消滅が決まっていた横浜フリューゲルスに敗れ、栄冠を勝ち取ることはできなかった。
なお、この年ユースチームからGK野澤洋輔がトップチームに上がり、昇格第1号選手に。また、ジュニアユースチームは高円宮杯全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会で初優勝を飾っている。