香港日本人学校の子どもたちと記念撮影 ©︎︎︎S-PULSE
香港では今日が大みそか。閉っている店舗も見られたものの、香港内の大きな公園・ビクトリアパークにはお正月用のマーケットが開催されており、飾りや花などを買い求める人々で賑わっていた。また、街中では新年に向けた招運、金運などを高める飾りが所々で見られ、店舗の前にはまるで日本でいうところの門松のようにキンカンの鉢が両端に飾られ、赤いリボンや袋が付けられたものがあらゆるところで見受けられた。
昨日から降っていた雨は上がったものの、青空は厚い雲に覆われ、天気予報通りぐっと気温が下がった。風があるために体感温度は10度を切っているように感じるほどだった。それでも日本よりは温かい。選手達は午前中はグループに分かれてホテル施設内のジムで軽く身体をほぐし、午後2時50分より、小西湾運動場で試合前日のトレーニングを行なった。
軽い準備体操を終えると、明日の試合に備えて、ハーフコートにして実戦練習。大前と高木はどちらのチームにも所属せず、ボールサイドのチームに加わってトレーニングを行なっていた。ハーフコートにし、コンパクトになった分、非常にスピーディーな展開で、選手たちは精力的にトレーニングをこなし、いよいよ明日がシーズン初戦であることを感じさせる集中した質の高いトレーニングだった。大会がトーナメント方式ということで、実戦練習が終わるとシュート練習、そしてPKの練習と約1時間半きっちりと身体を動かした。
明日対戦するサウスチャイナは1904年創立の香港を拠点とする歴史あるクラブ。香港内ではファーストディビジョンで40回の優勝数を誇る負けなしの超強豪クラブ。エスパルスは2001年にアジアカップウィナーズカップ、2002年にAFCチャンピオンズリーグで対戦したことがある。チームの愛称は「少林寺」。現在はブラジル人選手が4人在籍しており、前日の会見ではディフェンシブな戦いからのカウンターを狙うとのこと。エスパルスはこの守備をいかに崩すかがポイントになりそうだ。
エスパルスのメンバーは現状のベストで挑む予定だが、手薄なポジションにはサプライズ起用もあるかもしれない雰囲気。シーズン最初の実戦でアピールできれば大きなアドバンテージを得られることから、選手たちもいよいよ戦闘モード。始動からわずか1週間だが、どのような試合を見せてくれるのか楽しみになってきた。
またこのトレーニングには香港の日本人学校でサッカークラブに所属する生徒約50人が招かれていた。しかし、セキュリティを理由になかなか中に入れてもらえず、スタッフが粘り強く交渉した結果、最終的に引率の父兄は認められなかったが、子供だけは中に入れてもらうことができた。練習終わりにはチームが用意したプレゼントが子供たちにプレゼントされ、サインや記念撮影などをして交流を深めた。ゴトビ監督は子供たちを前に「明日は家族と一緒にゲームを観に来てください。みんなが日本人であることを誇りに思えるような戦いが見せられるように頑張ります。みんなも日本人であることに誇りを持ってください。そうすればいつかサッカーで日本代表になる日が来るかもしれません。我々はそれを楽しみにしています。今日は激励に来てくれてありがとう」と語りかけた。
■選手コメント
『大前元紀選手』
気合い入ってます。明日はシーズン初戦ですから大事にしたいなと思います。まだ始動して1週間ちょっとですから、それでチームとしてどれぐらいゲームができるのか、監督も僕らもわからない部分があります。それでも万全ではないコンディションの中でどれだけできるかが大事になってくると思うので、気合いを入れて頑張りたいと思います。
『河井陽介選手』
まだ明日の試合で出場するかはわかりませんが、僕自身加入して最初が肝心だと思っていました。始動から1週間ではありますが、自分なりに調整して入ってきましたので、チームはどうなるかは未知数ですが、自分がどれだけできるかが重要だと思っています。最初にダメだとその印象がついてしまうので、とにかく初戦が大事だと思っています。怪我だけはしないように、いい準備をして試合で活躍できるように頑張ります。相手の印象はまったくないので、自分にチャレンジするだけです。寒さには強い方ですから大丈夫です。頑張ります。
『犬飼智也選手』
スタメンかどうかはわかりませんが、出るとしたらサイドバックが濃厚です。中学2年以来ですし、練習は正直キツかったです。出場チャンスかもしれませんので、チャンスが巡ってきたら頑張ってアピールしたいと思います。まだ始動して1週間なので少し緊張しています。同部屋が平岡さんなので、右サイドのこともセンターバックのこともいろいろ教えていただくことばかりです。久々の海外でもありますし、緊張感ある中で世界の空気を感じながら少しでも成長して帰りたいと思います。
試合が翌日に迫り、ゴトビ監督の指示にも気合いが入る ©︎︎︎S-PULSE
枝村選手はゲームの中でも攻撃の牽引役としてチームを引っ張っていた ©︎︎︎S-PULSE
本日の練習会場も高層ビルに囲まれていた ©︎︎︎S-PULSE
ボールをキープする高原選手 ©︎︎︎S-PULSE
練習中も左サイドから何度もチャンスを演出したアレックス選手 ©︎︎︎S-PULSE
左右の足から質の高いクロスボールを入れていた高木選手 ©︎︎︎S-PULSE
中学校2年生依頼のサイドバッグでプレーした犬飼選手 ©︎︎︎S-PULSE
伊藤選手は抜群のポジション取りで何度もゴールネットを揺らした ©︎︎︎S-PULSE
PK戦に備え、全選手がPK練習を実施 ©︎︎︎S-PULSE
リラックスした表情でジョギングをする選手達 ©︎︎︎S-PULSE
日本人学校の生徒を前にスピーチをするゴトビ監督 ©︎︎︎S-PULSE
一人一人に丁寧にサインをする大前選手 ©︎︎︎S-PULSE
現地の子どもたちからも人気がある高原選手 ©︎︎︎S-PULSE
プレゼントの下敷きを配る小野選手 ©︎︎︎S-PULSE