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今季は天皇杯のスタートを何とか切ることができた。
しかし、内容的には苦しい戦いになった。前半27分、右サイドに入った六平光成のクロスを金子翔太が頭で押し込んで先制。立ち上がりは上手く入ったものの、直後には相手のシュートがポストに助けられるという幸運に救われるなど、大学生特有の勢いを持った戦いを受けてしまう場面も見られた。すると後半、ついに最大のピンチが訪れる。56分、相手陣内深くまでボールを運んだ時だった。ボールを奪われると、一気に縦にボールを運びカウンター。スルーパスに竹下玲王が抜け出し、ゴール右隅に決められ同点。ただ、ここからがプロの意地。79分に、右サイドから河井陽介のクロスに、エスパルスで初先発となった長谷川悠が頭でコースを変えて決勝点。2回戦進出を果たした。
水戸の1回戦も、エスパルスと同じく大学生との対戦となった。関東大学リーグ2部所属の東京国際大の監督は、水戸を03年から5年間率いた前田秀樹監督という因縁の対決。水戸は、直近のリーグ戦から選手を休ませ、メンバーを総入れ替えして戦うことになった。そのため試合勘、コンビネーションどちらも備わっていない中での試合となり、攻撃の歯車が上手く噛み合わない。ただ、試合を優位に進めていたのは水戸だった。前半、東国大のシュートを1本に抑え、後半勝負へ。決定的なチャンスを作られる場面はなかったが、それは水戸も同じだった。終了時間が迫るなか、86分にコーナーキックのチャンスを得る。キッカーは船谷圭祐。左足から放たれた正確なボールを、中央で山村佑樹が頭で押し込んでついに均衡を破った。そのまま最後まで堅い試合で1回戦を突破。エスパルスとの試合に臨むことになった。
水戸は昨季3回戦で鹿島をPK戦の末に下すという金星を挙げて、4回戦まで進出している。リーグではJ2残留争いをしていたが、この天皇杯の勝利が勢いとなって残留に成功した。そのイメージのある水戸にとって、天皇杯を一つの起爆剤として有効に使いたいはずだ。しかし、水戸にとって問題になるのは、この2回戦から中3日となる7日に、地震の影響で延期されていた長崎とのリーグ戦があるということ。通常のリーグ戦も日程通りに行われるため、8日間で3試合をこなさなければいけなくなっている。そのためベストメンバーを組めない可能性がある。エスパルスとしては、そこを上手く利用したいところだ。
水戸とのリーグ前回対戦ではピッチを吹き晒す強風に悩まされ、シュートを3本しか打てず無得点に終わった。その前の節で、群馬に8得点を挙げて勝利したゲームとは対照的なものだった。今回はそのようなことは許されない。
天皇杯で次に進むために結果を求めることはもちろんだが、この試合が終わるとすぐにリーグが再開され、そこに上手く入るためにも気持ちの良い勝ち方が求められる。さらに、今月18日にはすぐに水戸と、今度はリーグ戦で対戦することになる。
竹内涼は、
「相手に、『嫌だな』という印象をつけさせたい。個人としては中盤で早めのプレスをかけて、相手に余裕を与えないようにすることが大事になると思う」
と試合をイメージしており、内容を揃えることも求められることになる。そうなれば、この1勝はただの1勝ではない。この試合はそれだけ大事な試合だ。水戸を圧倒して、これからにつながる勝利を手にしたい。
公式モバイルサイトでは、小林伸二監督と選手の試合前日コメントを公開!!
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第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会 2回戦
9月3日(土)19:00キックオフ
清水エスパルス vs 水戸ホーリーホック
@IAIスタジアム日本平
<テレビ/ラジオ中継>
なし
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