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【決算発表記者会見】会見レポート

本日、静岡市内にて行われた2017年度決算発表記者会見のコメントは以下の通りです。


<左伴繁雄社長 コメント(抜粋)>

昨年度は当初、一桁順位を目標にしました。それに攻守の切り替えの早いアグレッシブなサッカーを(一昨年の)J2同様に掲げました。結果的には最終戦の勝利でJ1に踏みとどまることができましたが、勝ち点34、8勝10分18敗で14位という本意の成績ではありませんでした。
J2で1年戦い、最終戦でJ1に戻ることが決まりましたが、1年間、質の高いクラブとサッカーをやっていなかったことが、J1クオリティーの差を見せつけられることになりました。特にセットプレーやカウンターがJ1の質ではなかったというところが、大きな要因かなと思います。
もう一つは、J2で主力としてフルに戦ってきた選手を中心に、金属疲労が起きてケガ人が多かった。延べ18人という長期離脱者が出た中でシーズンを戦ってきたことも、一桁順位に持っていけなかった要因になっているのではないかと思います。過去、延べ13名以上、1ヶ月以上の離脱を主力で出したクラブが、J1に残れたということは、私が調べた中では、ほぼ例外なくJ2に降格しています。その点、踏みとどまることができたのでは、金子翔太選手や松原后選手、北川航也選手など小林伸二前監督が丹念に育ててくれた若手が主力の離脱をカバーしてくれたことだと思います。
結果が必ずしも目標通りでは無かった中で、若手の台頭が今季につながる明るい材料と言えるのではないかと思います。今季、新しい強化部の体制、ヨンソン監督を中心としたコーチングスタッフの中、J1、2年目として、J1残留はもちろん、皆さんにワクワクしてもらえるようなサッカー、また結果をご披露するという志は貫いていきたいと思います。

業績の方ですが、一番特徴的なことは、総売上が40億円を突破したことです。私が就任した2015年は総年商が32億円で、それまでは30億円を行ったり来たりという状況でした。当時J1で上位を争う上で、最低限の年商は40億円だと申し上げました。40億円というのは、強化費は40%から43%くらいを使っていますので、16億円から17億円は最低限必要な規模だろうと考えます。当時エスパルスは10億円前後の強化費の規模を5年くらい続けていて、統計上必ずしも上位をうかがう規模ではありませんでした。5位以内のクラブは平均で18億円前後、ベスト10に入るクラブでも16億円くらいになりますので、まずはチーム編成の中身よりも費用規模の間口を広げることをコミットさせていただきました。
昨年度の年商が40億1千万円ということで、チーム人件費は14億円を超えており、昨年、一昨年と比べて1億8千万円くらいは増えています。また、強化の運営費、代理人手数料等々、2億5千万円程度増えています。もう一つ大事な育成でも一昨年に比べて4千万円程度増えていると思います。1年で3億円のサッカーに関わる投資を目論んだ予算であり、実績だったとご理解いただければと思います。
したがいまして、総年商規模で対前年度6億7千万円弱の増収となります。広告収入は、前年度から3千万円増えて、18億円弱という過去最高の売り上げを記録しました。また金額だけでなく、ご協賛社数についても、3年前の200社弱から、400社を超えて、昨年だけでも100社を超えた新規の協賛をいただくことができました。70万人の極めてコンパクトな地方都市のクラブとしては、破格の協賛の社数、額のご支援をいただいていると感じています。協賛をいただいている皆さんには厚く御礼を申し上げたいと思います。

新規協賛のパートナーさんの勢いは続いており、新たにアイ・テック様がユニフォームの鎖骨のパートナーになっていただき、明日の試合の冠も付けていただくことになりました。新規パートナーの獲得には、この6月までが勝負ということで、営業部員が約800社に対し、飛び込み営業をしています。そのような泥臭い営業やパートナーの業態に合わせてカスタマイズした提案、何度でも足を運ぶ行動力で過去最高のパートナー売上を作ってきたと思います。

興行収入はナビスコカップで決勝に進み、ホームゲームの多かった2012年以来6年ぶりに6億円の売り上げを突破して、6億2千万円で1億3千万円の増収。これはパートナーさんや地元の法人さんが、分厚い応援をしてくれているということですが、ホームでたった3勝しか出来なかったチームに、1試合平均1万5千人を超えるお客さまが駆けつけていただいたことの意味を重く受け止めて戦ってもらいたいと選手たちに伝えています。また、チームだけでなく経営の現場としても真摯に受け止めて、今年さらなるサービスにしていきたいと思います。

物販については、9千100万円の増収をしています。25周年記念事業の一環として、色々なグッズを販売いたしました。4億円の売り上げというのは、Jクラブで7位に相当する大変大きな数字です。3年前は2億円を超えるだけのマーケットが、同じサポーター・ファンの皆さんに倍近いお金をかけていただき、私共のクラブ経営に過分なサポートをいただいていると思っています。

物販、広告、興行の3軸営業で2億5千万円超プラスして、残りがDAZNの放映権料と移籍金収入となります。前年比で6千万円近いプラスを移籍金で出しており、これらの増収が対前年で6億7千万、売り上げで40億円を達成した内訳となっています。

J2に降格した時も、最低限のパートナーやファンの皆さんが見捨てずに付いてきてくれました。昨年、最終戦まで残留が決まらない中でも多くのパートナーの皆さんが参加してくれました。この勢いは、まだまだ続くという規模で予算を組んでいきたいと思います。

この増収の原資の約半分はトップチームと育成に統括しております。残り半分は物販原価、興行原価や看板製作等の原価にあてがわれています。半分は未来への投資、半分は増収の手当という構図で売上と費用が構成されております。
強化費については補強等の選手にかける費用だけではなく、メディカルに関わるスタッフ、機器、カタパルト社製の負荷記録デバイスシステム等に投資いたしました。昨年すぐには効果が出なかったかもしれませんが、今年それが新しい体制の下で活用されるという前提で投資をした次第です。

就任して3年経って40億円という一つのバーをクリアしましたが、ここでオペレーションをしてみて、地域事業に関する投資とその売り上げが多いクラブだと思いました。サッカー処たる事業性格を持っているクラブだと感心しています。スタジアムにご来場いただいた方が26万人で、地域で施設を活用していただいている方が33万人という、来場者数より多い利用者数があります。地域で持っているJ-STEP、テルサ、各スクール拠点等の維持管理は他クラブより多い。トップチームの人件費率は通常40%から43%になりますが、地域事業への費用がかかるため、現状は37%となっていることを考えると、事業規模は45億円くらい、強化費が17億円というところが今後、経営として大きな目標となります。その目標を達成するためには、これまでの馬力の営業だけでなく、専門分野で外部から団体や個人のスペシャリストの力を借りて、ブランド力を磨き上げていく努力をしていきながら、パートナー協賛やグッズ、スタジアムのサービスに反映させていくこと。もう一つは、今までフットサル事業だけで使用していたフィールドを、サッカーだけに捉われず多角的に他の事業を入れながら稼働率を上げて収入を増やしていく。基本はトップチームが強くて、お客さんがたくさん来て、パートナーさんがたくさん付くことが、この事業の柱になりますが、もう一方ではサッカー処の街の活性化で45億円のバーを乗り越えていこうと思っています。


<久米一正副社長兼ゼネラルマネージャー コメント(抜粋)>

2017シーズンは一桁順位を目指そうとやってきましたが、ホームでなかなか勝てず3勝2分12敗。最終戦まで厳しい戦いを余儀なくされました。

2018年シーズン、クラブとしては一桁順位という話をしていますが、私は、このメンバーを見ると、頭のチャンネルを少し変えれば、ベスト5も夢ではないなと思っています。高いハードルかもしれませんが、ベスト5を目指して戦っていこうではないかと、目標を高く持ってスタートしました。最初の出だしは良く、負け無しでしたが、ここに来て昨年と同じようにホームで勝てていないというところもあります。とにかくホームで勝つことが重要だと思います。ホーム17戦で17勝したら勝ち点51、アウェイで半分勝てば優勝できる。サポーターの皆さんと私たちが一体となって、一丸となって戦わなければホームでは勝てないと思います。サッカー処清水ですから、トラップミス、パスミス、センタリングミス(に厳しい)ということがあると思いますが、サッカーはミスの連続の競技です。そこで、ミスをどれだけ減らしていくのか。そこに清水が浮上するかしないかというところがある気がします。ただ、選手たちにはミスを恐れずに思い切ってやってもらいたい。サポーターの皆さんには、試合中90分間は、ミスはしてもヤジなどはせず、選手たちに後押しをお願いしたいと思います。欧州ではミスに対しては「ため息」ではなくて「ウッ」という掛け声がスタンドから上がり、選手たちを鼓舞します。もちろん試合で結果が出せなければブーイングは致し方ありませんが、このような文化をサッカー処の清水で作っていきたいと考えます。これからも連戦が続きますが、ホームで必ず勝つということを、我々フロントサイドとしても、しっかりやっていきたいと思っています。

昨年と試合の比較をしますと、例えば走行距離は、今年の方が4、5キロ(多く)走っている。練習量は多くないですが、しっかり走れています。みんなで補っていこうというところが少しずつ出ているのかなと思います。また、シュートにしても、クロスにしても、ボール奪取にしても、昨年より多くなっていますので、これから期待していただければと思います。ヨンソン監督が標榜するサッカーについても、選手たちは少しずつ理解してきています。とにかく、ハードワークをしなければ勝利できません。11人だけではなく、全選手がオレンジの球になってやることが重要です。頑張っていきたいと思いますので、皆さんぜひ応援よろしくお願いいたします。

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