天皇杯は今回がラウンド16となる。
ここまでの戦いを振り返ると、2回戦は福山シティFC戦。相手の粘り強い守備に苦しみ、序盤からゲームを支配するもなかなかゴールが奪えず、ようやく決まったのは後半アディショナルタイムになってからだった。90+2分、チアゴ サンタナのシュートのこぼれ球を原輝綺が押し込み、これが決勝点となって辛くも勝利した。
続く3回戦は、いわてグルージャ盛岡戦。岩手に乗り込んで行われた試合は、前半38分に先制ゴールを決められるという厳しい展開になった。それでも落ち着きを失わなかったチームは後半に立て直し54分、ショートコーナーのこぼれを奥井諒がボレー。ゴール前で指宿洋史がコースを変えてネットを揺らす。さらに83分、中盤でボールを受けた滝裕太が右足を振り抜くとゴールに一直線に突き刺さった。エスパルスは逆転で3回戦を突破している。
こうした厳しい戦いが続いているが、前回王者の川崎Fはさらにギリギリで上がってきている。2回戦のAC長野パルセイロ戦では42分に藤山智史の鮮やかなミドルを決められて先制を許す。試合は1点ビハインドのまま、後半のアディショナルタイムに突入。ゴール前のこぼれ球を拾った橘田健人が右足を振り抜いてようやく同点ゴール。試合は延長前後半でも決着がつかずPK戦に突入する。チョン ソンリョンが2本を止めてようやく勝利を決めた。
3回戦のジェフユナイテッド千葉戦も、53分に先制される展開。しかし今回は、その直後の59分に家長昭博のPKで追いつく。しかし、どうしても勝ち越しゴールを奪うことができず、試合はこのまま延長に突入。一進一退の攻防が続くが、決着をつけることができず川崎Fは2試合連続のPK戦に突入する。千葉は3本目を外すと、さらに5本目の熊谷アンドリューのキックをチョン ソンリョンがセーブして2時間42分の戦いに終止符を打った。
ともに下のカテゴリーの相手に苦戦続きの両チームだが、同カテゴリーのチーム同士の対戦となり、ギアをもう一段上げて戦わなければいけないだろう。直近のリーグ戦では、エスパルス、川崎Fともに決定力不足が露呈している。エスパルスはG大阪に対して14本のシュートを放ったがネットを揺らせず、ロティーナ監督が「守備の部分では良い働きをしていたが、試合に勝つためには攻撃の部分でより質の高い働きを見せなければいけない」と振り返る試合だった。
川崎Fもリーグ前節柏に対して試合を圧倒的に支配し、シュートを何本も枠に飛ばしたが、その度にキム スンギュのファインセーブに阻まれてしまい、今季初の無得点。無敗は未だ継続しているが、川崎Fにしては不本意な結果になった。
エスパルスは3試合連続IAIスタジアム日本平で公式戦を行っているが、1分2敗とエスパルスサポーターに勝利を見せることができていない。川崎Fは、その3連戦の最初に戦った相手だったが、その試合は0-2と敗れている。ただ、スコアほど差があった試合ではなかった。今節は前節決めきれなかった分の得点を決めて、川崎Fに対して公式戦13試合ぶりの勝利で悪い流れを止める。
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