昨季、最終節までもつれた残留争い。そのライバルが徳島だった。平岡宏章監督が就任した第34節終了時点での勝ち点差は2。そこからの4試合、エスパルスは3勝1分だったが、徳島は2勝2敗でJ2降格が決まった。
ただ、昨季の徳島との直接対決は1分1敗。その1敗のスコアは0-3だったが、内容としてはそれ以上の差を見せつけられ、何もできない試合だったと言えるだろう。ホームで戦った第22節も、最終的には87分にゴールを決められ2-2という結果だったが、試合は相手に支配されていた。今回はそのリベンジということになるが、その徳島の今季戦うメンバーは大幅に入れ替わっている。昨季のチーム内得点王である8得点の垣田裕暉は今季鳥栖で戦い、続く7得点の宮代大聖は川崎Fに復帰、そして5得点の岸本武流はエスパルスに加入している。さらにキャプテンの岩尾憲が浦和に期限付き移籍したほか、昨年のレギュラーは、ほぼいなくなっている。
それでも、指揮を執るのは昨季から引き続きダニエル ポヤトス監督。スペイン出身の監督はポゼッションサッカーを掲げており、それは今季も変わることはないだろう。つまり、選手の顔ぶれが変わったとしても、エスパルスを攻略してきた戦いのイメージは持っている。難しい試合になることは間違いない。
ただ、形は違えど、ポゼッションサッカーで思い起こすのは、直前に戦った磐田もそうだった。この時は高い位置からプレスをかけ、中盤で奪ってカウンターを仕掛けるということが効果的だった。たとえ相手にポゼッションで上回られたとしても焦らないこと。そして一瞬の隙を付いて得点を狙いたいところだ。
徳島は、J2開幕戦の金沢戦はドロー。続くルヴァンカップ開幕戦は、リーグから先発を11人全員代えて戦った。しかし、24分にコーナーキックから先制を許すと、33分にはGKがバックパスの処理をもたついてボールを奪われ、そこから追加点を奪われてしまう。後半開始直後に杉森考起がネットを揺らしたが、クロスを入れたムシャガ バケンガがハンドを取られてゴールは取り消される。57分には3点目を決められ完敗となった。
中3日で行われたリーグ岡山戦では、3分にチアゴ アウベスに先制ゴールを決められて苦しい立ち上がりとなったが、41分に藤尾翔太が今季チーム初得点を決めて同点。このままスコアは動かず、1-1のドローとなっている。
一方のエスパルスは、リーグ、ルヴァンカップの開幕戦はともにドローだったが、リーグ前節の静岡ダービーでは、磐田に2-1の勝利。チームとしては勢いに乗っているだろう。ここで昨季のライバルを叩くこと、そしてJ1の意地を見せることが求められる。さらに大事なのは、未だ成し遂げられていない公式戦ホーム初勝利を挙げることだ。昨季は、シーズン開幕からホームの公式戦初勝利を挙げるまでに2ヶ月以上かかった。ルヴァンカップ前節は若手中心のメンバーで、今節も同様の構成で戦うとするなら、ここで勝利という結果を手にすることで、リーグ戦のメンバーにも大きな刺激を与えることになるだろう。
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