本日、IAIスタジアム日本平にて、日本サッカー協会より発表されたFIFA ワールドカップカタール2022™に出場する、サッカー日本代表メンバーに選出された権田修一選手の記者会見を実施しました。
権田修一選手(冒頭コメント)
今日は皆さん、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。
正直すごく難しい状況での発表でした。僕自身、常にその日、その日の1日をしっかりやりきることをテーマに置いていて、いま考えているのは、まずは週末に札幌で行われるコンサドーレ札幌との試合です。
今回、このような発表していただくにあたって、僕もYouTubeで見ていました。こういう発表というのは、僕自身、選ばれて嬉しかったのが1番大きなところです。僕はブラジル大会も呼ばれましたが、そのときはゴールキーパーで3番目に呼ばれました。最初に川島(永嗣)選手、西川(周作)選手、そして僕の名前が来て、今までの感じ的に年齢順だと分かっていたので、川島選手のあとに、シュミット(ダニエル)選手が呼ばれた時点で、僕はないということですが、自分が川島選手のあとに呼ばれたときは、まずは嬉しかったです。
それと同時に、メンバーを聞いていたときに、予選で一緒に戦ってきた仲間、特に原口(元気)選手だったり、大迫(勇也)選手だったり。特に原口選手は予選を通して毎回一緒に戦っていて、彼が16歳、17歳のときからの付き合いですが、試合に出る直前のところで「ゴン、頼むぞ」って元気がいつも僕に声をかけてくれて、ルーティンではないですが、そうなっていました。一緒に戦ってきた選手で、こういう形で落選する選手もたくさんいて、静岡学園出身の旗手(怜央)選手も今回落選してしまって、個人的には選ばれて嬉しい反面、より責任感が湧いてきたところです。
あとは、これまで日本代表が7大会連続出場していて、エスパルスからの選出は2010年の岡崎(慎司)選手以来ということで、僕自身が発表を見て感じたのは、これから先、毎大会静岡県出身の選手、あとは清水エスパルスからの選出が、これで10年、12年空かないようにしたいということ。毎大会、清水エスパルスから誰かしら、それは今いる選手かもしれないし、ユース所属の選手かもしれないし、新加入で来る選手か分からないですけど、ここでワールドカップの発表後に会見ができるというのが、僕が静岡に来て、この街だからこそ、これからも続けていかなければいけないと思いました。それはメディアの方もそうですし、僕ら選手、育成に携わっているスタッフの方、静岡の皆さんで、どうやったら4年後、8年後、12年後、毎大会静岡県出身の選手、エスパルスの選手が日本代表に選ばれるか、ワールドカップに入れるのかをもう一度考え直してやっていかないといけないのかなという思いもあります。
以下質疑応答
発表があった瞬間は、誰とどこで見ていたか?また自分の名前が呼ばれたとき、ご家族にどんな言葉をかけたか?
正直、入るかどうか、すごく不安でした。妻も不安だったみたいです。なので、一緒には見なかったです。息子は学校に行っているので、まだ息子には会えていません。会見は、静岡駅近くのデパートの1階にある、ちょっとした椅子で。誰もいないので、そこで一人でYouTubeを見ていました。なんでかと言うと、一人になりたかったからです。
妻からはおめでとうと、お世話になった方からもおめでとうという話はもらっています。
2018年の大会では出場できなかった。今回名前が呼ばれて喜びもひとしおだと思うが、それについては?
2018年は期待もしていなかったというか、選ばれるわけがないと思っていました。そこに関しては、発表があるまでは何とも思っていなかったんですけど、サッカー人として発表は見るじゃないですか。その4年前のブラジルワールドカップのときは自分の名前が呼ばれ、18年に呼ばれなかったときに悔しさは感じましたし、その悔しさがあったので、2019年からポルトガルにプレーする場を移すというチャレンジをしたという経緯があったので、その点の思いはあります。
僕がエスパルスに来たのは、ポルティモネンセでなかなか出場機会がなくて、ワールドカップの最終予選、本大会で戦うことを考えたときに、まずはプレーし続けていないと、選ばれる可能性が低くなってしまうと思ったし、選ばれたとしても、そこで良いパフォーマンスができる可能性が低くなると思っていました。僕が来たとき、エスパルスは失点が多いチームで、そこを自分自身がなんとかできれば自分自身の成長にもつながると思いました。大熊(清)GMがチームを助けてほしいというのと、僕自身の目標がリンクしてエスパルスに入ったので、今回こうやって清水エスパルスの一員として日本代表に選ばれるというのは大きな目標で、それを果たせたことは良かったです。
9月のアメリカ戦でアクシデントがあって、10月の川崎F戦でも接触プレーがあった。そこでの不安もあったか?
アクシデントはアクシデントなので、いつ起こるか分からない。メディアの方を通してになりますが、約束したいのは、あと1試合、札幌戦があります。現実的にプレーオフの可能性もあるとなったときに、その2試合は、ワールドカップがあるからケガをしないようなプレーを選ぶんじゃなくて、ゴールを守るために自分の身を挺すること。それでケガがあってワールドカップに行けなかったとしても、僕が本来やるべき仕事は、まずはエスパルスで結果を残すことです。この状況でエスパルスのサポーターの方は、「まずエスパルスでしょ」って思っていると思いますが、僕もそう思っています。僕のプレーを見てもらったら分かると思うんですけど、ゴールを割らせないために必要なプレーは身を挺してやる覚悟はありますし、その覚悟があるからこそアメリカ戦でケガをしても、フロンターレ戦でああいったことがあっても、これでダメならダメだなと思っていました。サッカー選手で、しかもゴールキーパーという責任を持ってゴールを守らなければいけないポジションである以上は、体を犠牲にしてということはあり得ることなので、そこは約束したいですし、カタールの地に行けばどんな状況であっても日本のゴールを守るために身を挺する覚悟を持ってやりたいと思います。
静岡でも権田選手がワールドカップでゴールを守る姿を楽しみにしていると思うが、どういったプレーを見せてくれるか?
まずは、国際大会なのでアルファベット表記になってしまいますが、パンフレットだったり電光掲示板だったり、いろいろなところに所属クラブのエスパルスという文字が世界中に発信できるというのは、僕の中では嬉しいことですし、エスパルスに入ってそれを目標に2年間やってきました。エスパルスを応援してる方々に、順位では誇りの持てる順位ではありませんが、そこの部分で自分が応援しているクラブの選手が世界のトップオブトップの場でプレーするというのは誇りを持ってもらいたいなと思っています。
あとは、大会に行ったら、そこが静岡・清水だけではなくて、日本のためにプレーするという背負うものがもっと大きくなってきますが、今日も会見を見ていて、冒頭に会長、技術委員長、監督の皆さんが言っていましたが、僕らはベスト16の壁を超えること。そこをターゲットとしてやっていくので、僕はゴールキーパーなので、なんとしてでもゴールを守る姿を見せたい。それはエスパルスにいてもそうですけど、代表でも続けてやっていきたいと思うので、それは見てほしいです。
予選リーグでの相手の顔ぶれは厳しいが、決勝トーナメントへ進むための気持ちは?
まずは予選リーグが3試合あって、勝ったら勝ち点3、引き分けたら1、負けたら0。そのあとは得失点だったり、当該対決とかになってきますが、あのグループを抜けられたら日本サッカーの盛り上がりがとんでもないことになると思っています。静岡でずっと住んでいる方は分からないかもしれませんが、東京に住んでいるとサッカーのニュースって本当に少ないんです。そんな東京でも唯一サッカーをトップニュースでやるのがワールドカップ。その中で、誰が見ても強豪というグループに入ったことで、このグループを突破したしたときに盛り上がり方は間違いなく大きくなると思います。なので、この予選リーグを突破したときの、その先に見える景色を見てみたいなと。それは日本の中でのサッカーの立ち位置、僕らはJリーグの選手なので、Jリーグの立ち位置の変わり方だったり、いろいろなものが変わっていく姿を想像するとワクワクしかないです。
その中で、予選突破するために大事なのは、ドイツ戦ですし、その次はスペインではなくて、コスタリカです。僕らは二次予選から日本代表で戦っているときに、森保(一)さんがずっと言っていたんですけど、ワールドカップが目標だけど、この1試合がそこにつながる一歩一歩だという話をしていました。なので、二次予選も厳しかったですけど、誰もそこを楽に勝とうとしなかった。全力でぶつかって1試合1試合戦った結果、出場権を取れたことにつながったので、それが日本代表の今までやってきたやり方だし、選手のやってきたことです。本大会でも、メディアの方は1戦目の次はすぐにスペイン戦に頭が切り替わって、コスタリカは勝てるんじゃないかという感覚になるかと思いますが、それが一番危なくて、1個1個。まずはドイツ戦。それがどういう結果であれ、2戦目のコスタリカで勝ち点3を取るというところをやり続ける。その結果がトーナメントにつながって、ベスト8、ベスト4というふうにつながると思っています。ジャンプはできないので1個1個しっかり歩んでいきたいと思います。