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J1昇格プレーオフ決勝は国立競技場で東京Vとの一戦になる。Jリーグ開幕前年の1992年に行われたヤマザキナビスコカップの決勝、その相手も当時の読売ヴェルディ川崎だった。往年のJリーグファンであれば誰もが覚えている一戦だろう。残念ながら結果は57分に三浦知良にゴールを決められて0-1で敗れてしまったが、日本サッカーの新たな幕開けを大勢の人々が見守ることになった。それから31年が経ち、サッカーの神様は再び両チームの意地とプライドと、そこにJ1昇格がかかった真剣勝負の場を与えた。
東京Vとの対戦は、J1では14勝1分19敗、Jリーグカップでは3勝3分5敗、そして天皇杯は1勝。東京Vは09年からJ2での戦いが続いており、この15年で対戦したのは2016年と今季のみということになる。そして、その今季の対戦、ホームで行われたゲームは秋葉忠宏監督が指揮を執った最初のリーグ戦だった。わずか6分で先制を許してしまったゲームは、45+2分に北爪健吾のゴールで追いつき、90分にはコーナーキックからオ セフンが頭で合わせて逆転。劇的展開でエスパルスは今季初勝利を挙げることになった。またアウェイでは35分の鈴木唯人のゴールを最後まで守り抜いて対東京Vでは2連勝としている。
そして国立決戦という観点で見れば、今季第26節千葉戦。47,628人というJ2最多記録を更新する観客を集める試合になった。神谷優太のゴールで先制、そこから一時逆転されるが、66分にベンジャミン コロリのゴールが決まりドロー。国立ではここまで公式戦12戦勝利なしという鬼門になっている。だが、違った見方をするのは大久保択生だ。「クラブとして毎年国立で開催している意義が、ここでプラスに働くと思う」。今回はアウェイとして国立に乗り込むことになるが、サポーターの雰囲気も含めてホームのように戦うことができるだろう。これでリーグでの順位がエスパルスより上である東京Vのアドバンテージを1つ潰すことができるかもしれない。
ただもう一つのディスアドバンテージは残っている。プレーオフ準決勝山形戦がそうであったように引き分けで突破をすることは今回できない。求められるのは勝利のみだ。しかし、これに関してむしろ戦いやすいという選手たちの声もある。秋葉忠宏監督も11月30日に行われたJ1昇格PO決勝記者会見で「勇敢に勇気を持って挑んでいけるかどうか。チャレンジャーとして戦い続けることができるかどうかが一番大事だと思っている。超攻撃的に超アグレッシブに、いつも通り超強気に我々らしく攻撃的なフットボールができるようにやっていきたい」と話しているように、エスパルスが今季やってきたことを出し尽くすことが勝利へとつながる。
対する東京Vは9月2日の第33節金沢戦から最終節の大宮戦まで10試合負けなしで終えプレーオフに進出。そして準決勝では千葉に対して、序盤は押されていたものの一瞬の隙を突いて中原輝が先制ゴールを挙げると、その10分後に畳み掛けるように森田晃樹の追加点が決まり、終盤に1点を決められるも余裕の戦いで決勝まで勝ち上がってきた。約3カ月負けていないという勢いには十分な警戒が必要だ。
このJ1昇格プレーオフの優勝を「タイトル」と呼ぶのがふさわしいのかは分からない。ただこうした極限の試合に勝利してJ1に昇格するということは来季に向けて大きな財産となるはずだ。胸を張ってJ1に進むために、最後は今年一番のサッカーを見せて勝利したい。
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2023 J1昇格プレーオフ 決勝
12月2日(土)14:05 キックオフ
清水エスパルスvs東京ヴェルディ
<放送>
DAZN
NHK BS1
静岡放送
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