MATCH REVIEW
3連勝と勢いに乗るエスパルスは、5万人を超える大観衆が詰めかけたホームの国立に名古屋を迎えた。2-0と快勝を収めた前節のFC東京戦から中3日のスケジュールながら、秋葉忠宏監督はメンバーを大きく変えることはなかった。左サイドバックの吉田豊に代わって山原怜音を起用した以外は、FC東京戦と同じ顔触れがスタメンに名を連ねた。
3連勝の良い流れを持ち込みたかったのだろう。しかし、結果的にこの決断が裏目に出ることになってしまった。立ち上がりからエスパルスの選手たちは積極性を欠いているように見えた。ハイプレスを仕掛けてくる名古屋に対し、ビルドアップを試みず、ロングフィードを多用。リスク回避の安全策で、まずは慎重に試合を進めた。
開始3分に裏抜けから招いたピンチを北爪健吾のブロックで凌いで以降は、守備での隙を見せなかった。一方で、シンプルな攻撃はあっさりと跳ね返され、セカンドボールも上手く拾えないため、なかなか攻め筋を見出せなかった…
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試合後監督コメント
秋葉忠宏監督
選手も最後までファイトし、サポーターファミリーも本当に大きな声を枯らしながら最後までファイトしてくれたが、ただ監督の差が出たと思っている。この暑さになること、ホームとはいえ移動があること、連戦中ということ、グランパスさんが後半、失点が多いことなどいろんなことが分かっていた中で、私だけが大胆にダイナミックにやれなかった。選手やサポーターはあれだけアグレッシブに頑張ってくれた中、私だけが、置きにいくような、消極的になってしまったと思っている。実際にグランバスさんが5人変えてくる、そういったところに監督の差が出たゲームになってしまったと思う。本当に選手やサポーターには申し訳なかった。あれだけ超攻撃、超アグレッシブだって言っている中、監督以外みんなやっているのに私だけが思い切ったことができなかった。それに尽きると思うので、しっかりと自分を見直し、ダイナミックにしっかり大胆な振る舞いが取れるようにしっかりやっていきたいと思う。
ただ、いつまでも下を向いていられない。中2日でAWAYレイソル戦が待っており。このままやられっぱなしでいるわけにはいかない。選手たちがあれだけファイトしてくれている、サポーターファミリーがあれだけ我々とともに戦ってくれている。いつまでも監督の私だけが下向いているわけにも、弱気な采配をするわけにはいかないので、死に物狂いで必死に、知恵を振り絞りを考えたい。そして必ず2日後、中2日で迎えるレイソル戦で、もう一度、チーム・選手が思い切って前向きにプレーできるように、よりアグレッシブに、超攻撃できるように、私自身がしっかりやりたいと思う。
――とくに前半はらしさがなかったように感じた。何が要因か。またチーム事情と複数のことが重なってのことだったのか。
先ほども言ったように、連戦、移動、天気予報もずっと見てきてこういう暑さになること、いろんなことが分かっていた中、選手たちもやはり生物で人間なのでコンディションの問題はある。気持ち的にはやはりいきたい気持ちがある中でも、なかなか体がついてこないような、そういう条件になることも分かっていた。だからこそ、もっと私が前向きに仕掛けられるような、攻守においてもっとアグレッシブにやれるようなことを仕掛けてあげられればよかったと思う。実際、後半に入ったフレッシュな選手たちのあれだけの動きがあればグッと押し込めたわけで、そういうことも含めてもっと予測し、もっとしっかりと未来をどう描いていくか、勝利への道筋をもっと描けるようにやっていきたいと思います。
―― 3失点とも左サイドで作られてからの失点だった。
ほとんどスローインからの3失点だったので、人数を合わせるところ。あと、なんてことないクロスに対してのことや、クリアが背中に当たってしまうなどの不運もあった。あとは単純に人につき切れていない。もちろん1点目のシュートは上手かったが、しっかり付けていれば問題なかった。3点目もスローインからで、アプローチの距離が遠く、最後は慌てて2人で同じところに行ってしまった。1点目もそうだが、2人で同じ場所に行ってフリーを作ってしまっているので、もう少し冷静にスローインも含めて、どう処理するのか整理したいと思う。
――名古屋がある程度マンツーマンではめにくることが想定できた中で、どのような準備をしてきたか。
準備はほとんどできなかった。コンディショニングに努めるのが精一杯で、実際に昨日はセットプレー練習をやったぐらいで、あとはずっとコンディショニング調整しかできなかった。映像を見せてのトレーニングはやったが、映像だけでは限界がある。ある程度マンツーマンでくることや、前後半でどういう失点内容なのか、そういったものは見せたが、やはり体が動かないと頭も働かない。コンディションの大事さを再確認した。気持ちはあるが体がついてこないような状態が前半に見受けられたので、そういうものを加味した中でどう戦術、戦略を立てていくのか、私自身がしっかり反省してやりたい。
――ハーフタイムの修正や指示は。
よりダイナミックに、大胆に、もっと攻撃的な采配をすればよかったが、どちらかというと指示はアンパイというか、一緒に人数を揃えるようなことを選択させてしまった。やはり負けているからこそ、もっと攻守においてダイナミックに動くことが必要だったが、少しその場にいることが多かった。マンツーマンは何が嫌がると言えば、やはり長い距離で出ていくことや、左右、前後、ダイナミックにポジションが入れ替わることなど、そういうことが一番嫌なのは分かっていたのに、そういったことをやらせてあげられなかった、引き出してあげれられなかった、ということが悔いとして残っている。
試合後選手コメント
乾貴士選手
相手のほうが3連戦目なので疲労のところは言い訳にならない。すべてにおいて今日は名古屋の選手たちのほうが上だった。戦うところや球際、一対一のところで僕を含め負けるシーンが多かったので、そういうところで勝てないとこういう試合になる。前半からもっとチャンスを作らなければいけなかったし、もっとクオリティを上げなければいけなかったが、そこよりも今日は戦う姿勢のところ。相手のほうが必死だったと思う。
次節までの2日間でやれることはそう多くないので…
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高橋祐治選手
いつもより距離感も遠かったし、もっとエスパルスらしいサッカーができれば良かったが、名古屋さんも相当気合が入っていたし、球際のところもしっかり来ていたので、そういうところで向こうにリズムを作らせてしまったところと、後半の立ち上がりで失点してしまったので、そこはディフェンス陣として反省しないといけない。
次節に向けてメンタル的なところを切り替えるしかないし…
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矢島慎也選手
後半に関してはバランスが悪かった。俺がボランチに入っている時はまだやれている感はあったが、3枚替えをして以降、何をすべきか、相手にとって何が嫌なのかという部分が全くなくなったと感じた。また、名古屋に対する守り方について(乾)貴士くんと(北川)航也が出ていた時の守り方と、途中から入った選手のやり方が統一されていなかったから、俺もボランチから1列前に上がって…
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松崎快選手
もっと何かを生み出さなければいけないし、結果的にゼロで抑えられたので、今日に関しては何もできなかった印象。(交代選手が入って以降はいくつかチャンスがあったが)相手の運動量が落ちてきた部分もあったが、もっと前半から自信を持ってボールを動かせるシーンはあったと思うし、少しロングボールに頼りすぎたというか、名古屋のバックラインも強いのでそれに回収されて、ボランチのセカンドへの対応も速いし、結果的に相手ボールの時間が増えて、流れを掴めずに失点してそのまま前半を折り返してしまった。マンツーマンで来るからといって…
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沖悠哉選手
今日も本当にたくさんのサポーターが来てくれて、最後の挨拶まわりをした時も「勝ちたい」「ともに喜びたい」と思った。この1試合を無駄にすることがないように、そこまで悲観することなく次の試合に挑みたい。一番はメンタルの準備が大事だと思っていて、身体のところは言い訳にならない。
3失点しているので反省しているところは多いが…
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