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【鄭大世選手 新加入記者会見】会見レポート

2015年7月14日

【鄭大世選手 新加入記者会見】会見レポート

本日、エスパルスクラブハウス内にて鄭大世選手の新加入記者会見を行いました。
コメントは以下の通りです。


■左伴繁雄代表取締役社長

昨日で鄭大世選手、前所属の水原三星とエスパルスとの間で移籍が成立したことをご報告します。
異例ですが2度オファーレターを出して、(獲得まで)2ヶ月くらいかかった交渉です。それだけ彼を獲得したかったということです。(その理由としては)私がここに就任してからチーム自体のサッカーや体質を変えていきたいという中で、大きな柱の一つである前線の攻撃の決定力をもっと上げなければいけないと。シュート数に対する得点率が昨年と比較して3%くらい、得点にすると前半戦だけで6点くらい落ちていました。また、年初に球際を強く、1対1で負けないとか怖いサッカーをやるとかということをお話ししましたが、前線のハードアタックが足りないということもあって、一番最初に彼がリストアップされました。
我々が見てきた鄭大世選手というのは川崎フロンターレ時代の彼ではなく、ドイツ、そして韓国でのプレーで得点を決めるだけでなくて、クレバーなポジショニング、アシスト、守備など万能型のストライカーということを評価しました。(彼には)このチームに必要な決定力を上げ、前線からの守備で失点を減らし、選手間の活性化、英語も話せますので、特に外国人選手と日本人選手の架け橋になってもらいたいと期待しています。
私共は最下位のチームで、これまで何人か移籍交渉してきましたが、それが理由でここを選ばなかった選手もいます。その中で一番良かったなと思うのは、彼はトップアスリートでありながら自分の個人的な将来よりもこのクラブ、チームを何とか助けたいと大儀を持っていることです。このクラブに一番相応しい選手として私は高く評価しています。彼と一緒に仕事をしたいし、チームで良いパフォーマンスを発揮してもらいたいと思います。


■鄭大世選手

長い旅を終えて日本に帰ってくることになりましたが、まずはオファーを下さった清水エスパルスの皆さまに感謝の意を伝えたいと思います。
自分も30歳を超えてきて色々な経験をしてきました。川崎で超攻撃的なサッカーをしてJリーグの上位を走り、ドイツに行ってボーフムでは2部でしたが入れ替え戦も経験し、ケルンでは降格も経験しました。水原三星では3年間優勝争いをしてきました。(プロに入って)10年を迎えましたが、パスをもらって点を取ってきたりと、これまで自分は周りに助けてもらってきました。しかし、最近はプレースタイルが変わって、自分が周りを助けることも出来るようになってきました。川崎でプレーしていた頃のような鋭さや荒々しさはない代わりに、全体的な能力が高まってきたと思っています。
(エスパルスの)試合は韓国にいる時にインターネットでチェックしており、DVDでも観ました。強いチームで優勝を目指すことは、もちろん選手としてのやりがいではあります。しかし、現在18位という危険な順位にいるエスパルスという名門クラブを選んだのは、良い選手や能力の高い選手がいるにもかかわらずこの順位にいるチームを自分の経験と能力で助けることが一番のやりがいではないかということを家族と相談して決めました。良い条件を提示してくれたことも、ひとつの要因ではあります。自分がここに来たからには、この順位にいる理由を突き止めて、少しでも順位を上げる原動力になりたいと思っています。


<Q.今、チームにとって足りない部分というのは客観的に見てどこだと思うか?>試合を観ている中では守備の部分です。中盤から後ろで相手に強いプレッシングをかけられていないことが挙げられると思いますが、組織として守備をしなければいけない。そういう意味では前線からのプレッシング、まずそこの壁を越えられないことが大事です。守備というのはDFだけが守備ではないし、攻撃の選手がそこでチェイシングとプレッシングをかけることによって相手の選択肢を狭める必要があります。自分はFWなのでその部分で貢献出来たらと思っています。

<Q.1対1の基本的な部分で負けていることが目立っている。ドイツや韓国は厳しいと思うが、どんなところが大事だと思うか?>
自分が思うにJリーグ全体的に球際の1対1が劣るところはあると思います。今日の15分程の紅白戦を見ていても何でそこに行かないのかと感じる部分もあった。やはりFWに仕事をさせてはいけないし、中盤で相手を前に向かせないディフェンスを絶対にしなければいけないです。ルーズボールに勝つこともしなければいけないし、こういう状況だからこそ、相手が球際を恐れるようなサッカーは必要だと思います。

<Q.これからの2ndステージでどのくらい得点を決めたいか?>
僕はゴールへの欲は捨てているので、ゴールの目標は立てないようにしています。チームの勝利が何より大事なので、一人のプレーヤーが全てを変えるのは容易ではないが、順位を15位以内の降格圏外に脱出させたいと思っています。

<Q.以前に対戦した時のエスパルスの印象は?>
突出した個の力は無かったかもしれないが、組織的にまとまった攻守のバランスが取れたチームという印象。ゴールを決めるのがすごく難しいチームのひとつでした。

<Q.背番号9番ということもあり、サポーターの期待も大きいと思います。サポーターに向けて一言>
どこのチームに行ってもサポーターの存在はすごく偉大です。サポーターの協力と応援なくしてチームに結果は得られないと思います。僕もサポーターに最大限のリスペクトの気持ちを持ちながら全力でプレーしますし、ガッカリさせないようなプレーをすることを約束します。

<Q.ゴールの欲は捨てているとのことだが、いつ頃から心境の変化があったのか?ドイツなど海外に行って6年目だが、どういうところを学んで自分のプラスになったのか?>
川崎にいた時はシュートしか考えていなかったですし、自分がボールを持ったら周りがパスを要求しても、前を向いてシュートをしていました。それは川崎だから許されていたプレーで、そのシュートが決まらなくてもジュニーニョや得点力の高い選手が決めてくれて試合には勝てていましたので。しかし、海外の上のレベルに行った時にそれが許されなくなりました。最初のうちは点が取れていましたが、点が取れなくなってきた時には矢面に立たされ、監督やメディアにも批判された。でもずっとこのスタイルで川崎でも成功してきたので、この貪欲さを活かすのか、それとも自分のスタイルを変えなければいけないのかというジレンマの中でずっとプレーしていました。結局ドイツで上手く行かなくなり、韓国でプレーするようになりましたが、やはり上手く行かなかった。シュートを強引に打っても入らないし、去年は先発からも外れるようになりました。
一番大きな転機になったのは子供が生まれたことが大きかったです。何か根本的なところからの変化がなければ生き残れないと思い、(極端に)間逆の考えにはなりますが、ゴール前に来たときは全部パスを出そうと思いました。それが結果としてアシストの数もどんどん増えていき、ペナルティエリアの近くでも落ち着いてボールをトラップでき、周りも見えて、尚且つチームも勝てるようになりました。それが大きく成長した転機となりました。
また、内田篤人選手から「シュートばかり考えているプレーヤーはディフェンスが一番楽だ」と言われ、納得しました。自分としてはシーズンで最低限2桁得点を取りたいと思いますが、チームとして考えた場合、フリーの選手が打った方が当然良いわけですから。
もうひとつのきっかけは去年のJ2プレーオフの山形と千葉の試合を観た時です。山形が1点取った後に千葉が1点取れば1-1で上に行けるのに、千葉の前の選手たちがフリーの選手にパスを出さずに自分が遠くから打って決定機を2、3回失った場面がありました。そこでパスを出せばJ1に行けるのに、自分の欲を出して点が入らないのを観て、これはチームプレーとして良くないと思いました。チームが勝ってこそ自分が評価されるし、こういう良いオファーを清水からいただくことができたので、その意識の変化は良かったと思います。エスパルスでも、まずチームが勝つことが最優先という意識でやっていきます。

<Q.いつからJリーグでいう気持ちがあったのか?>
自分が生まれ育った国なので当然思っていました。川崎で良い時間を過ごせましたが、ドイツでも韓国でも辛い時期がありました。やはり自分は日本の方がプレースタイルが合うのではないかと感じていたので、今回、戻って来られたことは最高の喜びです。

<Q.自分の性格をどのように思っているか?>
子供も生まれたので最近は落ち着いてきました、人前で恥ずかしいことも出来ないですし(笑)
信じられないですけど、ここでは最年長なんです。(これまで)グラウンドの上では激しさを見せていましたが、今は安定感が大事であり、出来るだけ感情の起伏を出さないように心がけています。

<Q.最初にオファーを出されたときは断ったがどうしてか?>
向こうで優勝争いをしていたということが大きかったです。今年は調子も良く、優勝争いの途中で出ていくような状況ではありませんでした。

<Q.それで気持ちが変わった理由は?>
情熱ですね。1回オファーを断ったのにもう一度オファーされたことは今まで経験がない。その情熱が僕の心を動かしました。そして、家族のことも考えて移籍を決断しました。