ルヴァンカップ初戦は柏戦。直近のリーグ戦から金子翔太を除く10人のメンバーを入れ替えて臨んだ。試合の立ち上がりは、相手が前からプレスをかけ、なかなかコンビネーションができない中、自陣からボールを出すことができない。そして、ついに3分、クリアボールを手塚康平にボレーを叩き込まれてしまう。後半に入って野津田岳人、松原后、六平光成を投入して、ボールが回り始めたが1点が遠く、初戦を落としてしまった。

札幌も同じくルヴァンカップ初戦の磐田戦は、GKク ソンユンを除く10人を入れ替えるターンオーバー制を敷いた。札幌はク ソンユンのファインセーブや、相手のミスに助けられたものの、前半は耐える時間が続く。しかし、後半に入ってチャンスを掴んだのは札幌。菅大輝の左からの折り返しをGKが弾くと、そのこぼれを上原慎也が押し込み先制。さらに、87分には都倉賢がエリア外から左を振り抜き豪快に決めて追加点。試合を決めた。

この両チームに共通して言えるのは、この試合の結果がリーグ戦につながっているということだ。エスパルスにとっては、柏戦の敗戦からリーグ2連敗。逆に札幌は、今季公式戦初勝利となったこの試合が、次節のリーグ戦初勝利につながっている。ともにターンオーバーで臨み、メンバーは変わっていても、チームとしての流れには大きな影響を及ぼした。

それは逆もしかり。リーグ戦の流れをカップ戦のメンバーも受けるだろう。エスパルスは、リーグ前節は柏戦。カップ戦と同じような展開となり、相手に押し込まれる展開が続いたが、後半に鄭大世のゴール、さらにアディショナルタイムにはミッチェル デュークのゴールで追加点が決まり連敗を止めた。実に25本ものFKを浴びながら無失点に抑えるという、粘り勝ちだった。

一方の札幌は、リーグ前節はFC東京と対戦。8分に先制されるという苦しいスタートながら、42分にコーナーキックからGKの前でジュリーニョが合わせて同点に追いつく、さらに後半の立ち上がりにエリア内でボールを受けた都倉が上手く流し込んで逆転に成功。リーグ2勝目を挙げている。両者とも勢いを持って今節に挑むことになる。

ただ、エスパルスとしてはこの試合で求めるのは勝利のみ。札幌には昨季まで8勝1分1敗と得意にしていたが、昨季はJ2で2敗。特にアウェイでは前半に0-2とされた状況から終盤に2点を返したものの、後半アディショナルタイムに都倉に決められ、悔しい負け方をしている。

「しっかり借りを返していきたい」

現在好調の村田和哉はそう誓った。リーグ第5節ダービーでも途中出場からコーナーキックを10本奪うなどチャンスを演出。さらに、前節では交代直後に先制につながるクロスを上げている。今の村田を止めることは容易ではないだろう。

今節は、未だ勝ち点すらも奪えてないホームアイスタでの試合になる。公式戦でホームゲームの勝利は昨季11月のJ2第41節岡山戦以来。サポーターも約5ヶ月ぶりとなる勝ちロコを待ちわびていることだろう。成績を五分に戻して、
「勝ってカップ戦の位置付けを高くしていきたい」（小林伸二監督）
と、ルヴァンカップ決勝トーナメント出場に向けて、まずは1勝を挙げよう。

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