初の勝ち点まで、手が届くところまで来ていた。それが、あのような結末になるとは。エスパルスは前節G大阪と対戦。前半40分に小野瀬康介に先制を許したが、84分だった。素早くリスタートを始めると、左サイド深い位置から中村慶太の高いクロス。これを立田悠悟の打点の高いヘッドで叩きつけて同点に追いつく。人数を限定しながらも再開後初の有観客試合となったアイスタは、最高潮の盛り上がりを見せた。しかし、試合終了まであとわずかとなる89分。選手交代後の隙を突かれ、途中出場の渡邉千真に決められてしまい、初めての勝ち点とはならなかった。
それでも、希望がなかった訳ではない。試合の多くの場面でエスパルスが支配した試合だった。さらに決定機の数でも相手を上回っていただろう。例えば、58分には後藤優介と金子翔太が相手センターバックを挟み込み、金子がボールを奪うと、相手ディフェンスを引きつけてラストパス。ボックス内、フリーの状態でカルリーニョス ジュニオがシュートを放つがGKのファインセーブ。こぼれ球を金子が狙うもゴールの左に外れた。「ここを決めていれば…」というシーンもこれ以外に何度かあった。
さらに、長らく怪我で戦列を離れていたエウシーニョとヘナト アウグストが今季初めてベンチに戻ってきたことも明るい話題だろう。エウシーニョは62分から途中出場。「自分にとって大事な試合だった。久しぶりでとても良い復帰戦になったと思う」と、約30分間という短い時間ながら、エウシーニョらしい攻撃の流れを作っていた。またアウグストの方は、前節翌日に行われたFC東京との練習試合に先発。25分に、西澤健太の左コーナーキックをニアで合わせて“復帰戦”でゴールを決めている。昨季何度もチームを救ってくれた2人の“神”助っ人が試合に戻れば、チームは大きく変わることは間違いない。
対する神戸は、前節アウェイで大分と対戦。その前の節も鳥栖ともアウェイゲームとなっており、2試合連続で九州移動とハードなスケジュールに、メンバーを大幅に変更し、若手主体で臨んだ。その神戸が、いきなり先制する。試合開始からまだ数秒というところ、安井拓也のシュートのこぼれを、古橋亨梧が思い切りよくダイレクトボレーで押し込んで先制する。これで勢いに乗るかというとそうでもなく、逆に大分にチャンスを作られてしまう。すると29分、岩田智輝がGKとの1対1を制して同点に追いつかれる。神戸は75分からドウグラスを含む4枚替えを行うも、試合はそのままドローで終了。神戸は、1勝2分1敗で12位となっている。
エスパルスが注意すべきところは、もちろんドウグラスだろう。「もし出場したら」という仮定で、アウグストに「ドウグラスとの対戦をどう思うか」を聞いたところ、「とても良い友達でもあるし、人生において全て上手くいくように祈っている」とアウグストらしい答え。しかし、こう続けた。「でも、自分が出たらできるだけ上手くプレーさせないようにしたい」。ドウグラスは、神戸でも第3節鳥栖戦の75分にアンドレス イニエスタの浮き玉のボールをジャンピングボレーで決めるなど、エスパルス時代と同じく得点力の高さを見せている。OB選手に決められることは避けたいところだ。
神戸とは、昨季天皇杯の準決勝で敗れたものの、鄭大世のダメ押しゴールなどで3-1と勝利して残留を決めた17年の第34節以来、リーグ5戦負けなしと相性は良い。エスパルスは昨季、7戦目にしてようやく勝利を挙げた。今季はそれより早く、この5戦目で初勝利を挙げよう!
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2020明治安田生命J1リーグ 第5節
7月18日(土)19:00キックオフ
ヴィッセル神戸 vs. 清水エスパルス
@ノエビアスタジアム神戸
<放送>
DAZN
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