リーグ開幕戦で、鹿島を相手に逆転勝利という最高のスタートを切った。「今季のエスパルスは違う」そう感じたサポーターも多いことだろう。そのなかで迎えるルヴァンカップ グループステージの開幕戦は、あの試合が偶然の勝利だったのか、それとも実力なのか。それを見極めるという意味でも、注目されることは間違いない。リーグ戦とともに、足並みを揃えて好スタートを切りたいところになる。

ただ、この過密日程ということもあり、さらに2試合連続のアウェイゲームということもある。よって全く同じメンバーで戦うことは考えにくいだろう。そうなれば、リーグ開幕戦でチャンスを与えられなかった選手たちにとっては、絶好のアピールのチャンスとなる。特に、新加入選手が7人先発したリーグ開幕戦の裏で、昨季までレギュラーとして活躍していた選手にとっては悔しい思いをしているはずだ。そうした選手たちの奮起が期待される試合でもある。

近年リーグカップは苦戦の連続だ。12年には決勝に進み、優勝まであと一歩に迫ったが、以降16年のJ2時代を除く7大会連続でグループステージ敗退となっている。なかでも、昨季はコロナ禍で大会が縮小された影響もあるが、3戦全敗となってしまった。リーグ戦の成績に直接影響することはもちろんない。しかし、最近のリーグ戦での低迷は、こうしたカップ戦の不調がチーム全体に影響を及ぼしてしていることを否定できない。逆に、この大会で良い成績を残すことで、チームにとって良い循環が生み出すようになることは間違いないだろう。

今節の相手広島は、城福浩監督の4年目。昨季までは3バックで戦っていたが、今季は4バックに挑戦している。リーグ開幕戦は仙台と対戦。新加入のジュニオール サントスが破壊力を見せた。驚異の突破力でシマオ・マテのファウルを誘い退場に追い込むと、33分にはボックス外から放ったシュートがディフェンスに当たって、移籍後初ゴールを決めている。試合は90分に追いつかれてドローに終わったが、サントスの力強さはインパクトを与えた。

そのサントスと言えば、昨季は柏から期限付き移籍で横浜FMに所属しており、エスパルスと対戦した第11節でも大暴れした。開始早々に自陣からドリブルを開始し、ヘナト アウグストも振り切られて、そのまま強烈なゴールを決められたという嫌な印象に残っている方も多いだろう。その後にも1点を追加されるなど、大いに苦しめられた。今節に出場することがあれば、最大限に警戒しなければいけない選手になるだろう。

勝利のイメージは、やはりリーグでも披露した堅い守備で、まずは相手の攻撃を封じることだろう。チーム全員が身につけてきたロティーナ監督のサッカーを、たとえメンバーが変わったとしても同じように体現していきたい。グループステージは全6試合しかない。ゆえに、その開幕での結果は今後の行方を大きく左右することになるだろう。まず1勝して、グループステージ突破に向けて、大きなアドバンテージを手にする。 

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