リーグ戦では、FC東京に3-0で快勝して以来のホームゲームとなる。それはエスパルスにとって前半戦最後のホームゲームだったが、ここでようやくホーム初勝利を挙げて苦手意識を払拭することになった。その今季ベストゲームとも言える試合は、攻守ががっちりと噛み合い、初の完封勝利でもあった。

では、前節横浜FC戦はどうだったか。前半は相手にボールを持たれる時間が続き、クロスを何度も放り込まれてしまう。その度に跳ね返していたが、45分にスローインから逆サイドに展開され、クロスから先制ゴールを奪われてしまった。それでも、後半はシステム変更などでリズムを取り戻し、エスパルスの一方的な展開になる。なかなかゴールを奪うことができない時間が続いたが、81分にコーナーキックからヴァウドのゴールでようやく同点に追いつく。終了間際には、チアゴ サンタナがGKと1対1のチャンスを迎えるが、シュートはセーブされ、こぼれ球も決めることができなかった。勝ち点3が必須の試合だったが、その思惑通りにはいかなかった。

一方、大分は前節、FC東京と対戦している。序盤は互角の戦いとなったが、FC東京が誇るブラジル籍選手が牙を向く。24分にはディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ、アダイウトンのパスワークから、最後はレアンドロのゴールが決まり先制点を許してしまう。その大分にアクシデント。35分に三竿雄斗が「著しく不正なプレー」で1発退場となってしまった。これでさらに難しい試合になった大分は、45分にオリヴェイラのゴールを許し、さらに後半開始早々の47分にも小川諒也に決められ、第9節名古屋戦以来の0-3での完敗となった。 

大分は、前節シュート2本に終わっただけでなく、その前の第19節鹿島戦でシュートはわずか1本だった。リーグでは3試合連続ノーゴールとなっており、攻撃が上手く回っていないということは数字にも現れている。それでも、大分の最前線にいるのが長沢駿であることを考えると、油断することはできないだろう。

前回対戦は、長沢に攻撃の起点としてチャンスを作られてしまった。38分には、長沢が前線でボールをキープし、右サイドに展開して自らクロスに飛び込む。これは権田修一の好セーブで阻むも、そこで与えたコーナーキックから町田 也真人に決められ、それが決勝点となって敗れてしまった。

エスパルスとしては、前節20位の横浜FCに引き分け勝ち点2を落としてしまっている。19位の大分には、同じ過ちを繰り返してはいけない。その意味で勝たなければいけないことは当然として、他にも勝たなければいけない理由がある。それは、試合当日の7月4日はエスパルスの誕生日だからだ。1992年の7月4日にG大阪と初の有料試合を行って産声を上げたエスパルスは、今年で29度目の誕生日を迎える。そのバースデーを祝う勝利で、後半戦は最高のスタートを切りたい。

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