エスパルスの前節は、約1週間半前の川崎F戦。リーグ首位に立つ相手に、前半は粘り強い戦いを見せた。リーグトップタイの69得点を決めている攻撃陣に対して、チャンスをほとんど与えない。逆にエスパルスのチャンスは25分、カルリーニョス ジュニオのミドルシュートでゴールに迫った。前半をスコアレスで折り返し、後半から攻撃に転じたいところだったが、その矢先に痛い失点。47分、マルシーニョの折り返しをレアンドロ ダミアンに決められてしまう。「ゴールのあとダメージを受けたのか、簡単にボールを失ってしまうシーンが目立った」とロティーナ監督が話すように、そこからなかなか立て直すことができず、後半のシュートはわずか1本。結局、1点を返すことができず、エスパルスは5月以来となるリーグ連敗となった。
「相手のチャンスは2つだった」と指揮官が話すように、守備は大きく崩れることはなかった。しかし、攻撃では2試合連続ノーゴールとなっている。ただ、今は苦しい状態に陥っているが、1発が出ればそこから一気にゴール量産の可能性もある。それは、前回対戦のFC東京戦でも示していることだ。
前回のFC東京戦の前は、リーグ9戦勝利がないという状況だった。その内容としては2試合連続無得点中で、9試合での得点はわずかに3得点。そうしたなかで、前半14分にチアゴ サンタナのゴールで先制する。さらに前半アディショナルタイムにはコーナーキックからヴァウドのヘディングで追加点。後半開始すぐの49分には、同じくコーナーキックから片山瑛一が押し込んで3点目を挙げた。守備でも最後まで集中力を切らすことなく無失点で抑えて10試合ぶりの勝利。それは、今季のベストゲームと言って良い試合だろう。そうした強さを今節も見せたいところだ。
そのFC東京は、前節鹿島と対戦している。試合は18分にFC東京がチャンスを作る。左サイドからアダイウトンが持ち込んでシュートに持ち込む。こぼれたボールを安部柊斗が押し込むもGKがセーブ。ここから鹿島のカウンターを受けることになり、上田綺世のクロスから土居聖真に合わせられるが、こちらもGKがファインセーブでしのぐ。しかし、前半のアディショナルタイム、鹿島が右サイドタッチライン際でフリーキックを獲得。ディエゴ ピトゥカのボールに、アルトゥール カイキが頭で合わせて先制を許してしまう。
65分にも上田にゴールを割られ2点ビハインドのFC東京。10分後に、左サイド長友佑都のクロスを逆サイドの中村拓海が折り返すと、ゴール中央で渡邊凌磨が目の覚めるようなボレーシュート叩き込んで反撃の狼煙を上げる。それでも得点はこの1点に終わり、FC東京は3連敗となっている。
FC東京は、ここまで13勝7分13敗のイーブンの成績。ただ、この5試合は1勝1分3敗と調子を落としていると言えるだろう。そうしたチームに対して、やはり必要なのは先制点だ。守備面では首位川崎Fに対しても通用することが分かった。今節はさらに進めて、守備から攻撃へ、いかにスムーズに展開できるかということが求められる試合になる。残り5試合は、エスパルスの将来を左右する試合が続く。攻撃で圧倒して、この試合から現状を変えていきたい。
エスパルス公式アプリ「S-PULSE APP」では、ロティーナ監督と権田修一選手の試合前日コメントを公開!!
ダウンロードはこちらから