着実に強くなってきている。そう思わせる前節だった。
第23節鳥栖戦では2点先取を許し、80分には1-3とリードを許していた。しかし、そこから一気に得点を返し、3-3と何とか勝ち点を奪った。その勢いで臨んだ前節は、今度はまず守備で安定した力を見せる。ディエゴ オリヴェイラ、アダイウトンという破壊力のある外国人選手を擁すFC東京に対して一瞬の隙も許さず前半を無失点に抑える。すると、攻撃陣が躍動した。58分には、この日FWとして出場したカルリーニョス ジュニオが原輝綺のクロスにドンピシャのヘッドで先制点を奪うと、85分には左サイドから山原怜音のクロスにチアゴ サンタナがファーで合わせて追加点。試合前の最下位という苦しい状況から、一気に15位まで順位を上げ、声出し応援検証試合として駆けつけていたサポーターの声援に応えた。
この試合では、松岡大起が「一人一人の迷いが少なくなった。その迷いのなさがチームの良い方向に進んでいると感じている」と話しているように、選手たちにゼ リカルド監督のサッカーが浸透していることを感じさせた。また、「失点さえしなければ点を取れる選手がたくさんいるので、自分たちはできる限り失点しないようにやっていくだけ」と守備陣、攻撃陣に信頼関係もできている。チームが良い方向に進みだしていることは間違いないだろう。今節は、前節のサッカーを基準として、さらに成長を遂げた姿を見せたいところになる。
G大阪は、6日に行われる予定だった第24節福岡戦の前に複数の選手、スタッフが新型コロナウイルスの陽性判定を受け、「エントリー可能な人数が規定の13名以上を充足できないため」として中止になっており、リーグ戦は7月30日の第23節京都戦以来となる。G大阪は1試合少ないという状態ではあるが、順位はエスパルスの1つ下の16位。今節は直接対決になる。
G大阪は、その京都戦では1-1のドローとなったが、それまで3連敗をしており、この10試合は1勝2分7敗と大きく調子を崩している。2週間空いたとはいえ、エスパルスとしてはここは勝利したい試合になる。
ただ、G大阪もこの夏の移籍期間に大型補強をしている。海外でプレーしていた鈴木武蔵、食野亮太郎の2人は、すでにリーグ戦に出場しており、食野は京都戦で貴重な先制ゴールを決めている。さらに鹿島からファン アラーノを獲得し、また東京Vから、鈴木唯人、松岡とともにAFC U23アジアカップ2022を戦った山本理仁も完全移籍で獲得して、今はデビューを待っている状態だ。それだけでなく、今季途中まで長崎を率いていた松田浩監督が、コーチとしてG大阪に加わっている。
エスパルスは、これまでとは違うG大阪との対戦になりそうだが、それでもやることは変わらない。相手を分析した上で、「自分たちのやってきたことをしっかりアウェイの地でも出すこと」と松岡が言うように、まずは形ができあがりつつある自分たちのサッカーをやることに目を向けることだ。一戦必勝で、降格圏からより遠い位置に。再び順位を上げていく。
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