デジタルブック版「S-PULSE NEWS」2022年9月号 VOL.292に掲載された記事をチラ見せ!
今シーズンにクラブ創設30周年を迎えたエスパルス。《オリジナル10》として、日本サッカー界を駆け抜けてきたオレンジ戦士たちを、指揮官としてけん引してきた歴代監督たちの功績も大きい。彼らがクラブ史に刻んできた「歓喜」「勇気」「希望」が、次世代へと受け継がれていくことを願う。
文=望月文夫
プロ意識をたたきこんだレオン監督
1992年5月、約4カ月後にJリーグ初の公式戦ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)を控えたチームに、ブラジル人のエメルソン レオン監督が就任した。GKで4度ワールドカップに出場したレジェンドは、パルメイラスなどブラジルの名門クラブで監督経験もあり、オレンジ軍団の好成績に期待が高まった。
半面、厳しい指導者だという情報が伝えられ選手たちは戦々恐々だったが、後にそれが正しかったと知る。当初の練習はランニングが中心で、『陸上部』とも言われた走行距離をこなし、さらにフィジカルトレーニングが上乗せされる毎日に、選手から笑顔が消えた。
合宿や試合での遠征先のホテルでは基本的に外出禁止。「観光に来ているわけじゃない」と、サッカーに集中する環境づくりとプロの心構えをたたきこむのが狙いで、監督自らがホテルの出入り口で見張り役を務めるなど、選手たちを徹底した管理下に置いた。厳しいルールに選手から不満も出たが、初のナビスコカップを準優勝に導くなど手腕が高く評価され、同時に選手の信頼も勝ち取った。
そんな指揮官に「プロ選手とは?」と尋ねると、こう言い切った。「高額の報酬を手にするのがプロ選手ではない。重要なのは、結果を出すための努力を惜しまない姿勢と、多くのファンを喜ばせることができるかだ」と。選手にプロ精神を植え付けたレオン監督は、約2年で監督を退任したが、短い期間にナビスコカップで2年連続準優勝、リーグ戦3ステージ中2位が2度という輝かしい成績を残した。
全文はエスパルスニュース2022年9月号に掲載。
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