首位町田との直接対決。町田は第2節群馬戦から6連勝で首位を走り、第9節終了時に1つ順位を落としたが、翌節に首位を奪還すると、そこからさらに独走態勢となり、現在は2位東京Vまでの勝ち点差は7。エスパルスはこの独走を止めること、そして11に開いた差を逆転していかなければいけない。
エスパルスは前節千葉と対戦した。オリジナル10対決ということに注目が集まったが、伝統あるチーム同士の戦いは熱い試合になった。試合はエスパルスがボールを握る中、ゴール前を固める千葉を崩すことができない。両チームとも決定機を作れないまま試合を折り返す。後半も同様の光景が広がるが、87分に千葉がエスパルス陣内でスローインを獲得。これまでディフェンス陣は難なく対応していたが、この試合9本目のロングスローだった。西久保駿介のボールはゴール前で大きくワンバウンド。そこから選手たちが混戦となり、エスパルスの選手が掻き出そうとするが米倉恒貴にボレーを決められ、それが決勝点となってしまった。
秋葉忠宏監督が就任し、9試合目にして初めての黒星、そして無得点。「ワンプレーの重み」、試合後に指揮官が話すように、サッカーの怖さを改めて実感することになった。現在5連戦中、そしてアウェイ2連戦の2試合目となる今節は、練習の時間こそ少ないが、悔しい気持ちをすぐに晴らすチャンスでもある。
今節の相手、町田は前節山口と対戦した。14分、右サイドの平河悠のクロスに、中央でミッチェル デュークが頭で合わせて先制。勢いに乗る町田は、23分にエリキの縦パスにデューク、荒木駿太が連続ヒールパスでゴール前に送ると、走り込んできたエリキがシュート。これはGKのセーブにあうが、町田がチャンスを作り続けて前半を終える。山口は後半もボールを保持しながら相手ゴールに迫るが、スコアは動かず試合は終盤に突入。すると81分、ボックス内で平河が倒されて町田がPKを獲得。これを下田北斗が決めて追加点。町田は2‐0で快勝となった。
町田は、ここまで16試合でクリーンシートは9試合。失点は7でリーグ1位と守備が堅い。昨年度まで青森山田高校を率いてきた黒田剛監督の特徴が出ていると言える。また特徴と言えば、ロングスローを含めたセットプレーも警戒しなければいけないだろう。4月度のJ2月間ベストゴールに選ばれた荒木のゴールのように、完璧にデザインされたコーナーキックなど、あの手この手でエスパルスゴールを狙ってくるはずだ。また、高校年代で強さを見せていたロングスローも、プロの舞台でも力を発揮しつつある。前節エスパルスはそこから失点しただけに、同じ形での失点は避けたい。
選手個々を見ても、カタールワールドカップでオーストラリア代表としてチュニジア戦でゴールを決めた元エスパルスのデュークは、ヘディングの高さと強さがより増しているように見える。同じく今季から町田に加入した元エスパルスの髙橋大悟は、12試合に先発し「10番」として攻撃の中心で輝きを見せている。
ただ何より、まずは自分たちのサッカーを取り戻すこと。前節の鬱憤を晴らすため、今節は再びゴールを量産し、エスパルスらしい圧倒的な強さを見せて勝利したい。
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