トレーニングレポート
曇り空の中でスタートした鹿児島キャンプ2日目。ピッチ上では、選手たちが精力的にトレーニングに励んだ。午前練習はまず筋力トレーニングからスタート。上半身や体幹などを鍛えるメニューを約30分間みっちりと行った。
続いて3人組でパス&コントロールを行ったが、一つひとつのパススピードやボールコントロール時の集中力から「昨年よりもレベルアップしないといけない」(高橋祐治)という強い覚悟が感じられた。
その後は2コートに分かれ、ミニゴールを用いて6対6を実施したのち、ハーフコートでGKも含めた11対11。秋葉忠宏監督からは「周りに要求する時の言葉も激しく」と檄が飛び、緊張感漂う中で激しい攻防が繰り広げられた。なかでも始動から好調を維持している住吉ジェラニレショーン対ドウグラス タンキの一対一は迫力に溢れ、ゲームが止まった際には選手同士で積極的にコミュニケーションを取る姿も見られた。
午前練習後に小雨が降った影響で、より肌寒さが増した「鹿児島ふれあいスポーツランド」。しかし、フルコートでの11対11がメインとなった午後のトレーニングは、より一層白熱したものとなった。球際の攻防が激しく、なかなかゴールが生まれない中で、宇野禅斗からのスルーパスに抜け出した矢島慎也が冷静にフィニッシュ。「2列目の自分が抜け出した形。相手のズレを見逃さずに行けた」と矢島。宇野は「アシストできたことも良かったが、その前からのテンポ感も良かったし、全体の距離感も良く、慎也くんの動き出しも完璧だった」と納得の表情を見せた。
一部メンバーを入れ替えて行った2本目では、小塚和季のCKからまたしても矢島がゴールネットを揺らしたほか、右サイドバックの位置から中央に流れた高木践がクロスバーを直撃するシュートを放つなど、各々が持ち味を発揮した。
充実した2部練習となったキャンプ2日目。明日以降も選手たちはリーグ開幕に向け、猛アピールを続けていく。
キャンプレポート動画
選手コメント
北爪健吾選手
午前中はプレッシングのことを中心に、午後はゲーム形式も含めて、とにかくいろいろなことを想定してやり続けている。まだ2日目だが、ミーティングだけでなく、チームメイトとコミュニケーションを取りながらやっているので、充実したキャンプになっているし、新加入組の姿勢や人間性から学ぶものもあり、僕自身もいろいろなことを吸収しながら選手としても人としても成長する時間になっているのではないかと思う。
昨年と同じ強度では間違いなく勝てないということはみんなが感じ取ってトレーニングに取り組んでいる。昨年以上に細部にこだわった声掛けが増えている印象を受けるし、僕自身もプレーで示したり、自分の役割を見つけながらチームに還元していきたいと思っている。
今回のキャンプ中の個人的なテーマは、自分のストロングポイントとウィークポイントにしっかり向き合うこと。とくにウィークポイントから逃げないということはかなり意識していて、パスの質、クロスの質、守備の強度などをいろいろな人から学んで自分に落とし込める期間にしたい。
高橋祐治選手
ゲーム形式のトレーニングもやったが、みんながプレッシャーや切り替えの部分などを意識して、良い練習ができた。紅白戦では小塚(和季)選手に股抜きシュートを決められ、今もまだ悔しい気持ちでいっぱい。ただ、昨年よりもレベルアップしないと今年は本当に厳しい戦いが待っていると分かっているので、よりパワーアップした姿を見せられるように、今からみんなで一体感を持ってやれている感覚はある。
ここ数年、キャンプ中に傷めて離脱してしまうことがあったので、今年は離脱せず、よりパワーアップできる期間にしたい。キャンプ中はみんなで同じご飯を食べて、同じ宿で過ごす分、選手同士で話す機会が多くなるので、たくさん話して、みんなと良いコミュニケーションを取っていきたい。
蓮川壮大選手
かなり疲労は溜まっているが、J1で戦っていくにはこれぐらいの強度でやっていかないといけないと思っている。個人としては身体が動いているし、プレーの感触は良い。また、選手同士で声を掛け合い、お互いを高め合いながら良いトレーニングができていると思う。
このキャンプでの個人的なテーマは、ケガをしないこと。練習の中では一対一など激しいプレーもあるが、これぐらい高い強度の中でもしっかりケガなくプレーできるよう意識してやっているし、みんなもそう思っていると思う。キャンプ中はサッカーにより一層集中して、ケガ予防のために睡眠時間をしっかり確保しながら過ごしていきたい。
ポジション的にも自分は後ろからチーム全体を見られる立場なので、チームを引っ張るといった面でのコミュニケーションなども意識はしているが、まずは自分がしっかりプレーで示すことが大事。チームとしても良い成長ができるキャンプ期間にしたい。
沖悠哉選手
昨日から鹿児島入りして、グラウンドもホテルも何不自由なくキャンプができている。それはサポートしてくれる人がたくさんいるおかげ。キャンプ中のトレーニングは厳しいものだが、しっかりとオンとオフのメリハリを持ちつつ、オフのところでは鹿児島のいろいろなものを満喫しながら、感謝の気持ちを持ちながら過ごせたらいい。
キャンプ中には韓国のチームやJクラブとの練習試合が予定されていて、これまでの相手とはレベルも上がり、ゲームの流れや自分の技術云々ではないところでの勝負も必要になってくると思う。ただ、そういった中でもGKとしてはゲームの流れを読んでプレーしなければ意味がないと思っているので、しっかりと心身ともに追い込みながら取り組んでいきたい。
開幕まで時間もないし、チームとして危機感というものはしっかり持てていると思う。これが良い方向に進むように、チーム全員でまとまりを持って取り組んでいきたい。
矢島慎也選手 囲み取材