率直に言って、嬉しい気持ちと悲しい気持ちが半々。非常に良い試合をやってくれていたので、勝利を掴んだというよりも、自分たちのところに勝利が転がってきたという形だと思っている。

――カウンターが冴えていたと思うが、選手たちの意識については？またダービーで勝てたことの意義は？

カウンターができたのは私が監督になってからの一つの特徴だと思う。そこが今日出たことは良かった。そしてダービーに勝てたことは嬉しいことだが、先ほども言ったように、自分たちで掴んだというよりも転がってきた勝利。当然選手たちはハードワークをしてくれたことに変わりはないが、ちょっと残念な気持ちだった。

――後半に入って流れが変わったと思うが、そこはどう見ているか？

ビルドアップのところで相手にプレッシャーをかけられていたので、そこでエリアを狙うか、どういう風に人数をかけていくのか、そこは修正した。もう1つは、もしかすると磐田が前半ハイペースだったのか、落ちたのかなと感じている。その両方がそういう形になって、前半と後半が違った内容になったと思う。

――中山克広選手は最初右で入ったと思うが、途中で左に替えたのか？

左に替えた。最初は彼の得意の（相手の）背後のところを取らせようと思ったが、（神谷）優太が疲れてきて、守備に戻れなくなってきているところがあって、相手の17番（鈴木雄斗選手）を警戒しているところがあったので、中山に戻ってもらうような形にした。あとは前に出ていく推進力があるので、そこを上手く活用したかった。ルヴァンの時も彼を左で使ったと思うが、そういうこともプランとして考えながらやっていた。

――中山選手のカットインのゴールを期待してというよりは、守備のタスクをイメージしていたのか？

1つは守備のところと、攻撃のところはどこを狙っていくのかというのは共有していたので、あとは彼がカットインしてシュートを打つのか、クロスを挙げるのか、そこは彼の判断だった。攻撃のところは彼の良さが出たと思う。

――今日の試合で課題を挙げるとすると？

先ほど選手に言ったのは、2点取ったのは良いが、そのあと3点目、4点目、5点目と取るチャンスが十分にあって、それが途中から出てきた選手にそういうチャンスがあったということ。大熊（清）GMが言っている「（得失点差）プラス二桁」ということを考えると、こういう取れるところでしっかり取らないと、どうなるのか。そういうことが34試合の中で大事な1点になると思う。

――鈴木唯人選手がファーストチャンスを決めきって、良い入りができたということに関してはどう思っているか？

それは彼が今年になって自信を持って、成長したところの1つだと思う。しかし、彼にも2点目、3点目と取るチャンスがあったと思うし、そこで代表に入るような選手たちは取りきると思うので、そこは彼に求めたい。そのぐらいの選手になると私は思っている。