前節の敗戦からホームへ戻ってきて、本当に苦しいゲームだったが、今季最多の17,500人以上のサポーターファミリーが我々の後押しをしてくれ、「連敗はありえないぞ」という素晴らしい空気感を作ってくれた。だからこそ、この苦しいゲームをスタジアムと一体になってモノにできたと思っている。我々はホームに帰ってきたら必ず勝点3を取れるんだというこのアドバンテージが優勝、昇格するための大事な要素なので、それを今日また証明できて良かったと思う。

ゲームの方は、正直、前半はだいぶ相手の方が走っており、我々らしくない、ホームにもかかわらず球際のところ、走力のところで後手を踏む場面が多かったので、ハーフタイムにギアとエンジンを入れ直し、我々が何をしてきたからこそ連勝したのか、首位にいるのかということをもう一度思い出そうという話をした。我々らしくゴールに向かう、ボールをハイインテンシティで奪いにいく、相手よりも切り替えを早くする、そういったものを交代選手も含めて全員で体現できた。苦しいゲームをモノにする姿をもう一度見せるんだ、ここからもう一度連勝するんだというメンタリティを全員が持ってこのスタジアムで証明できたことが何よりだと思う。

とくに今日、久しぶりにスタメンとなった選手、もしくは初スタメンの選手があれだけ活躍するのは簡単なことではない。どれだけ彼らが普段から自分を律し、厳しいトレーニングを積んできたか。尊敬に値する素晴らしい選手たちだと思っている。あと2つ勝って、しっかりと首位でターンすることを選手たちと話しているので、次のアウェイ戦も集中力を持ちながら、今日高まった競争力をさらに高めて、また1週間最高の準備をして山口と戦って勝点3を持ってきたい。

――前半と後半の入り方を見直すと話していたが、今日はどんな印象を受けたか。

前半も入り自体はそんなに悪くなかったが、点を取って失点をしてから、急に相手の3枚回しに対してどうはめていいのか分からなくなったり、プレッシングに迷いが出て、我々の走力やインテンシティが出せなくなった。90分間ずっと我々の時間ということはないが、その時間が少しでも長く続くよう、苦しい時間でも失点せず、我慢強く削り合いに負けずに無失点で凌いでこそ、ここまで首位に立っている理由だと思うので、そこはもう一度見直してやりたい。

――リーグ戦では久々の先発となった白崎のパフォーマンスについて。

シラは自分のことだけではなくて、出られない時も若い選手やチームにとって必要なこと、勝つために何が必要かということまで考えた上でプレーしてくれていた。こんなに心強い選手はいないし、それはシラだけではなく、今日メンバーに入れなかった選手もそう。実は今日、メンバー外の選手は練習試合をやっており、そこでもしっかりと勝ち切ってみせてくれた。北爪健吾であったり、千葉寛汰であったり、いろいろな選手がかなりのハイパフォーマンスで、しっかりとしたメンタリティで、自分が公式戦に出るために何が必要なのかを考えながら常にやってくれている。このハイレベルで素晴らしい競争があるからこそ今日の勝利があったと思っているし、シラや(高木)践を良い例に、もっとそういう選手が出てきてくれて、僕自身が嬉しい悩みで眠れない日が続いたらいいと思う。

――今季リーグ初スタメンとなった高木の評価について。

践らしく、カバーリングの早さや寄せの早さ、守備範囲の広さは存分に発揮してくれたし、 フィードも怖がらずに自信を持って前につけるなど、彼らしいプレーが随所に見られ、評価に値するパフォーマンスだったと思っている。ただ、やはりサイズがない分、ああいうどっしりしたフォワードの選手に背負われるところなどはまだまだ改善の余地があるし、初スタメンで緊張もあったと思うが、最終ラインが足を攣るというのはやはり采配の上で少し困ってしまうので、フィジカル面の部分は反省してもらいながら、良いパフォーマンスには自信を持ってもっと精進して素晴らしい選手になってほしいと思う。

――後半からの出場となった乾の働きぶりについて。

やはり違いを見せてくれるし、非常に良い働き、我々が期待した以上のパフォーマンスを見せてくれた。いよいよ乾貴士が復帰してきたなと思う。相手にとっては脅威になり、我々にとってはこんなに頼もしい選手はいないので、コンディションも試合勘も整ってきて、相手にとって脅威で居続けたと思う。だからこそ、また正しい競争を1週間してもらって、次の山口さんに対して誰が一番勝つ確率が上がるのか、どういう組み合わせが良いのか、悩みに悩みながら決めたい。