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【クローズアップ新加入】カピシャーバ「サポーターの熱量が“献身”の原動力に」

新加入選手をクローズアップしたロングインタビュー。第9弾はセレッソ大阪から完全移籍で加入したカピシャーバ。強烈な推進力を発揮してチャンスを演出するアタッカーは、秋葉サッカーに何をもたらそうとしているのか。


5月9日公開/取材・文=平柳麻衣


素晴らしいクラブの一員になれたことを心から嬉しく思う

――現在は攻撃的ポジションを担っていますが、幼い頃に憧れていた選手はいますか。

「サッカーを始めたときから、私は常に攻撃的ポジションでプレーしてきました。幼少期に最も影響を受けた選手は、ロナウジーニョとロナウドです」


――プロになるまでの間に苦労したことはありますか。

「ここまでの道のりは、決して簡単なものではありませんでした。プロになるためには、どの選手も困難な時期を経験すると思います。私の場合、一番つらかったのは、この夢を追いかけるために、幼い頃に家族や故郷と離れなければならなかったことでした。それでも今こうして振り返ってみると、神様が与えてくださったすべての経験、そしてこの職業を通じて達成できたことに、心から感謝しています」


――2023シーズンにセレッソ大阪に加入してから日本でプレーしていますが、Jリーグにはどんな印象を持ちましたか。

「大きな変化を経験すると、すべてが新しく感じられるものですよね。言語、文化、習慣……でも、私は日本に来てからすぐに環境に順応できたと思います。Jリーグはレベルが高く、素晴らしい選手たちが揃っており、質の高いプレーが展開されています。その中で日々成長を実感できていますし、こうした競争の激しいリーグで自分の新しいスタイルのサッカーを披露できることをとても嬉しく思っています」


――その後、ブラジルに戻るのではなく再び日本でプレーすることを決めた理由は?

「ブラジルに戻ることは考えていませんでした。それは、この国やJリーグにますます馴染み、順応できていると感じていたからです。そんな中で良いオファーをいただき、新しいプロジェクトに加わるチャンスを得られたことは、自分にとって非常に大きな意味がありました。もっとピッチで活躍し、再び高いレベルのプレーを見せられる良い機会だと思いました。この決断にはとても満足していますし、この素晴らしいクラブの一員になれたことを心から嬉しく思っています」


――チームが始動して間もない頃のトレーニングや練習試合で、すでにコンディションがかなり良さそうに見えたことに驚きました。エスパルスに加入するにあたって、どんな準備をしてきたのでしょうか。

「オフシーズンはもちろん身体を休める大切な期間ですが、クラブでしっかりとしたパフォーマンスを発揮するためには、常に良いコンディションを保つことも重要だと考えています。なので、オフ中も軽いトレーニングを継続し、できるだけベストな状態で合流できるように準備してきました」


――とても真面目な印象を受けていますが、ご自身ではどんな性格だと思っていますか。

「サッカー面では冷静で、真面目ですかね。オフの時間にもサッカーの試合をよく観ています。いまのサッカーでは、映像を通して学ぶことはとても重要だと思っていますし、コーチ陣ともよく情報交換をしています。戦術的なことや、相手チームの特徴について意見を交わすことで、チームにとって何が一番プラスになるかを常に考えています。また、チームメイトとできるだけ関わりたいという自分もいますし、一方で、休日は自分の趣味を楽しむこともすごく大事にしています」


――ピッチ外で日本のどんなところが好きですか。

「フィールドを離れたところでは、日本の都市や各地を知ることが一番楽しいです。 日本は文化の豊かな国だと思います。毎日新しい発見があり、ここでの生活はとても満足しています。両親をここに連れてくるという願いも叶い、両親も日本の組織力の高さや、この国の良さに感銘を受けています。ここでの時間を本当に楽しんでいますし、より一層、全ての瞬間を大切に過ごしていきたいと思っています」


秋葉監督のスタイルではポジショニングが非常に重要

――攻撃面を特徴としながら、攻守両面で献身的なプレーが際立っています。

「現代サッカーでは、攻守どちらか一方に偏ることなく、あらゆる場面で準備をしておくことが求められていると思います。試合の中で、常にチームの力になることを意識してプレーしています。だからこそ、攻撃でも守備でも100パーセントの力を出して、チームのためにベストを尽くす。それが自分の役割だと思っていますし、最終的に良い結果につながると信じて毎試合取り組んでいます」


――秋葉忠宏監督が志向するサッカーの第一印象と、実際にプレーしてみての印象は?

「エスパルスに来る前に、以前一緒にプレーしたことのある選手たちと話をする機会がありましたが、彼らは皆、秋葉監督とエスパルスのサッカーについて非常に高く評価していました。そして実際にプレーしてみて、監督はとても頭脳的で戦術眼に優れていると感じました。なので、できるだけ早く適応できるように努力しましたし、監督からの情報をしっかり吸収して、ピッチで実践することを常に意識しています。私たちはポジショニングを非常に大切にしていて、ピッチのあらゆるエリアで数的優位を作ろうとしています。その戦い方をシーズン序盤から上手く体現できていると感じていますし、今は日々進化しながら、より良い結果を出し続けることに集中しています」


――秋葉監督が志向するスタイルにおいて、ご自身の何が一番の武器になると考えていますか。

「先ほども触れたように、秋葉監督のスタイルではポジショニングが非常に重要です。相手がどこにスペースを空けるかを賢く読み取り、その瞬間にスピードやパワー、そして選手が持つクオリティを生かして攻撃を仕掛けることが求められます。私も加入してからその点を常に意識してプレーしています。フィールド上のスペースを見極める判断力と、それを攻撃に繋げるプレーの創造性が自分の強みだと思っています。チームメイトのプレーを引き出し、アシストやゴールを生み出し、何より勝利に貢献することを目指しています」


――自分でボールを運ぶ時と、周りを生かしながら崩していく時とのバランスで気をつけていることはありますか。

「我々は距離感を意識した中でサッカーをしていますので、もちろんワンタッチでやるところと運ぶところ、起点を作るところの使い分けは常に意識してやらないとチームとして上手く機能しません。セレッソ大阪時代はどちらかと言うとワイドに張ってプレーをする形が多かったですが、エスパルスではチームメイトのみんながサポートしてくれるおかげでよりゴールに近い位置でもプレーできています。引き続き今までと同じことではなく、それ以上のことができるように努めていきます」


もっとゴールを決め、アシストも増やしていきたい

――開幕からここまでの間にはケガによる離脱も経験しました。

「開幕直後にケガをしてしまい、出だしから少しつまずいてしまったのは非常に残念でした。どの選手にとっても、ケガというのは本当に難しい状況をもたらしますからね。チームに貢献できない、仲間のサポートができないというのはすごく悲しいことでした。ただ、しっかりと治療に専念し、早く復帰することだけを意識し、今はコンディションも回復し、心身ともに100パーセントの状態に戻ってきています。ケガの再発を防ぐためにもしっかりとトレーニングを積み重ねていますし、ピッチ上で常にベストパフォーマンスを発揮し、チームメイトの力になれるよう日々取り組んでいます」


――これから見せていきたいプレーや改善したい点などはありますか。

「選手である以上、誰しもが常に成長し、改善すべきポイントを持っていると思います。高いレベルでプレーし続けるためには、その意識が何より大切だと思います。私自身としては、もっとゴールを決め、アシストも増やしていきたいですし、試合の中でチームにより大きく貢献できるようになりたいと考えています。チームには質の高い選手が揃っているので、毎日100パーセントの力を注ぎながら、試合でしっかり結果として表せるよう努力を続けていきます」


――エスパルスというクラブに対する印象は加入前と今とで変わりましたか。

「加入前からエスパルスには非常に良い印象を持っていました。とくにファン・サポーターの情熱やクラブの歴史について多くの素晴らしい話を聞いていたので、期待はかなり高かったです。ただ、実際に来てみると、その期待をはるかに超える体験でした。ファン・サポーターの熱量は想像以上で、街全体がサッカーに熱中しているのを肌で感じました。こうしたつながりとエネルギーは、自分がピッチ上で全力を尽くす大きな原動力になっていますし、これからもクラブとともに成長していきたいと思います」


――静岡、清水の街やアイスタにはどんな印象を持っていますか。

「静岡は本当に恵まれた街だと感じています。市内の様々な場所から富士山を見ることができ、自然や海との触れ合いがとても特別です。私にとって、ここでの生活は非常に良い経験となっています。また、ここの食事も素晴らしいですね! 生活の質が高く、快適な気候とともに、すべてがより良いものに感じられるこの街で過ごせていることをとても幸せに思っています。アイスタは日本の中でもとくに質の高い芝生だと思いますし、管理をしている方々は本当に素晴らしい仕事をしているなと思います。そんなスタジアムで皆さんからの熱い声援をいただきながらプレーすることが何よりですし、もちろん“勝ちロコ”も特別です!」


――エスパルスではどんな存在になっていきたいですか。

「すべての選手がクラブの歴史に自分の名を連ねたいと考えていると思います。私自身もここに来てからずっとそのように考えています。チームメイトたちと一緒に素晴らしいシーズンを過ごせば、それは必ず実現できると信じていますし、だからこそ、私はここでタイトルを獲得するために全力を尽くしています。タイトルを獲得することで、私の名前がクラブの輝かしい歴史の一部として記憶に残ることができるからです」


――最後に、サッカー選手としての夢はありますか。

「サッカーは常に私たちを驚かせてくれます。毎週、毎試合、新たな挑戦が待ち受けています。私の願いは、勝利への渇望、進化したいという思い、そして自分が着るユニフォームのために全力を尽くすという姿勢を、これからも持ち続けていくことです。現在の自分の立場、この素晴らしいクラブとこの素晴らしい国に適応できたことをとても嬉しく思っています。今後も常に100パーセントの力を出し切り、私たちが掲げる目標を達成するために努力を続けていきます」


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フィジカルの強さを生かし、力強いドリブルでゴールに向かっていくカピシャーバ。一方で、「ポジショニング」の重要性を理解し、日本人選手とのコミュニケーションの中では積極的に日本語を用いるなど、チームの力になるための努力を惜しまない。


文化も街もこよなく愛する日本で、「クラブの歴史に自分の名を連ねたい」。自身の目標に向かう彼のプレーは、献身性にあふれている。


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