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【左伴繁雄 代表取締役社長 就任記者会見】会見レポート

2015年2月4日

【左伴繁雄 代表取締役社長 就任記者会見】会見レポート

就任の挨拶と方針の説明を行う左伴繁雄代表取締役

2月2日(月)、左伴繁雄代表取締役社長就任に伴い、清水エスパルス三保クラブハウスにて記者会見を行いました。
コメントは以下の通りです。


『ORANGE-TV.jp』動画 はこちら
【左伴繁雄 代表取締役社長 就任記者会見】会見レポート
http://orange-tv.jp/ch03/20150204_syachokaiken.html



<竹内康人専務取締役>


2月1日付で、役員人事の異動がありましたので、ご説明をさせていただきます。
昨年、残留争いをすることになり、最終戦の引き分けで何とかJ1に残留することができました。チームとしましては、シーズン途中という難しい状況の中、大榎監督に要請を引き受けていただきました。シーズンの途中から指揮を執るということもあり、大榎監督は自分が目指すサッカーを求めるというより、今まで築いてきたサッカーの良いところを継承するようなやり方をしてきました。今シーズンは、大榎体制として戦術など自分のスタイルで勝負していける、ある意味、新たなスタートとなりました。
一方、フロントとしましても、新しいシーズンに向かってどういう体制でいくのか、もちろん昨年みたいことがないように、皆さんの期待にどう応えていくべきか、ということでフロントも新たな体制でいくべきという判断となりました。私は4年間社長を務めさせていただきましたが、皆さんに喜んでもらう成績を残せなかったこと、チーム作りができなかったこと、これは会社の中では最終的に私に責任があるので、そういう意味では社長と言う立場は降りた方が良いだろうということで、新社長を招くことになりました。そして、フロントとしてもう一度、襟を正して新たなスタートを切ろうということになりました。


<左伴繁雄代表取締役社長>

左伴です。本日はありがとうございます。
冒頭になりますけれども、私はエスパルスを支えていただいております大株主様からの出身ではございません。私にとって日産自動車がサッカー業界に関わる前の最後の会社でありました。それからは、プロとして横浜F・マリノスで6年間、それから湘南ベルマーレで6年間勤めて参りました。まずは、大株主の会社の皆さまが私をお選びいただいたご英断に敬意を表したいと思います。

私がサッカー業界に入ったのは2001年で、日産自動車から横浜マリノス㈱の社長として赴任しました。F・マリノスでは、簡単に言ってしまいますと、トップチームの優勝かそれに近い結果をトップチームに求められる、そういう条件の中でオペレーションをしてきました。それから、その為のインフラ作りを6年かけてやってきました。親会社からは、年間3位以内というコミットをいただき、それを達成したら契約の継続をし、それが達成できなかったときは自ら職を辞しました。
㈱湘南ベルマーレでの6年間は、親会社のない市民クラブですから主に資金調達といいますか、自分たちの足で稼いで売上げを伸ばしていくという営業部分で会社を支えてきました。全くタイプの異なる2クラブを経験いたしまして、幸いにもF・マリノスでも当時の監督である岡田武史監督や大変優秀なフロントの職員・クラブスタッフのお蔭で優勝し、そしてベルマーレでも曺監督や眞壁会長、大倉社長、現場の頑張りもあって(J2)優勝し昇格することができました。色々な経験をさせていただいた中で、他の方々より多少は経営者として引出しはあるのかなと思っております。Jリーグが始まり(20年を超え)30年を迎えようとしていますが、ビジネスとしてこの業態が成立しているかというと、まだまだこれから発展していくために、やっていかなければいけないことが多々あると感じております。選手は10年でプロ化しました。監督も20年で、日本人監督としてプロ化し何とかやっていけるような業界になったと思います。30年目は私たちのような、本当の意味でスポーツビジネスをオペレーションできる経営者がもっと出てきて欲しいという想いを込めて今回は移籍をしたつもりでおります。

昨年の夏頃に、偶然ですが、私と同じ日産出身の方が株主会社様の中におりまして、そこからエスパルスの調子が悪くなってきたということでお話の場を持たせていただきました。その後、何度かお会いしてエスパルスの残留が決まった時期に、正式に打診を受けました。私は返答するのに少し時間をいただきながら、色々と考えて移籍させていただくことにしました。
私が決断した一番大きな理由としましては、エスパルスはサッカーで言えば老舗の地域のプロクラブである、ということが大きかったです。私は今年、年男で60歳になりますが、Jリーグが創設されるずっと以前からサッカーが地域に馴染んでいる街だと理解していました。私は神奈川出身ですが、学生の頃は静岡のチームと練習試合をすることすらできませんでした。神奈川にも強いサッカークラブはありましたが、静岡は別格でした。当時の戦術や戦法、選手の力量は今と比べると様々な部分で変わってきているとは思いますが、長きに渡ってサッカーを中心に日常があった静岡のプロクラブでオペレーションするということは、重いものがあると個人的には感じておりますし、その分やりがいもあると思います。

2つ目の理由としましては、私は幸いにして優勝の経験を何度かさせていただいております。このクラブは歴史ある地域のプロクラブでありますが、いわゆるオリジナル10と言われるクラブの中で、唯一年間を通してのリーグ優勝がないことが以前から気になっておりました。私は、しばらくイギリスに住んでいた時期があり、そこでサッカーというものに親しんでおりました。Jリーグの華やかな空気感とは全く違っていて、日常とサッカーが深く関わっている環境でした。その空気とこのエスパルスを取り巻く地域の環境がとても良く似ています。その歴史を考えながら、やはりこのクラブは優勝を目指してやっていかなければならないという気持ちもあり、私の経験を基にしながらこのクラブを引っ張っていきたいと思ったことです。

それから3つ目の理由は、サッカービジネスへのチャレンジになります。大きなクラブと市民クラブを経験してきて、従来のサッカービジネスでは会社の規模を大きくしていこうとすると多少の限界があると感じております。スポンサー・チケット・グッズ・放映権料その他イベント収入でビッククラブと言われている浦和が60億とか70億、J1リーグの平均が30億程度です。これは世の中の企業で言えば、大きな民間法人とは言えないと思います。このビジネスモデルの構図だけで今後サッカークラブを運営していけば、大体どこも同じような規模になると思います。ただ、違うビジネスモデルをこのプロスポーツビジネスに導入することで、一つ頭が抜けた会社ができるということが、ベルマーレで仕事をしていて学んだことです。これからは少し多角化していくことを考えています。サッカークラブというのは熱烈に応援していただいている地域の法人様や個人の皆様に支えられています。その方々がお使いになっている色々な商材の間に少しエスパルスが入らせてもらう、言わば商社のようなスキームを作らせていただければ、そこから新しい売上げが見えてくると思います。強みは、その商品を買うだけでなく、エスパルスを応援することになるということです。少し長期的な取り組みになりますが、チャレンジしてエスパルスの財を上げていきたいと思います。なぜ、この地域が多角化に適しているかということですが、まずサッカーに馴染みを持っていただいている、エスパルスを応援しようという気持ちを持っている方々が若い世代だけでなく企業で決裁権者と言われている役員クラスの方々まで応援していただいている。これは長い歴史の中で培われた民度だと思っております。そういった方々とビジネスを通じて、このようなスキームをできませんか?とお願いがしやすい地域。エスパルスのスポンサー様や株主法人様にはいろいろな事業をお持ちの企業があります。そこにアライアンスをしていく可能性の高さ、ビジネスのしやすさというものが親会社のある他のクラブと違ってあると思っています。これが、しっかりできれば30億、50億とかそういったレベルを少し抜けたところでオペレーションができる可能性があり、そこにかけてみたいと考えたことが3つ目の決断理由です。

近々の課題は、トップチームの成績がここ数年低迷しているので、ここでしっかり楔を打たなければいけないということです。方策は2つあると思います。1つはトップチームがある程度の戦力を持てるだけの財というもの作っていかなければなりません。その為には営業力の強化をやっていかなければいけないと思います。今のJ1のクラブ平均年商は30億円で、これはエスパルスとほぼ変わりません。強化費は、約13億円がJ1の平均です。エスパルスはこれより若干低い数字となっています。その分、地域への貢献活動、いわゆるスクールや普及活動などスタジアム以外でサッカーに馴染んでいただいく投資を行なっており、私もこれはとても良いことだと思っています。サッカーが生活に馴染んでいるが故に、地域へのクラブとしての投資は必要だと思っています。ですから、売上高トップ人件費率は他のクラブよりも約5%程度低いところから出発しなければいけないというのが、財力の強化の根拠となり、営業力を強化していく必要性であります。どこを強化していくかと言いますと、株主様やスポンサー様は身の丈通り、あるいは身の丈以上のご支援をいただいていると数字を見て感じております。ならば、また新しいお客様を開拓していかなければいけません。そこが、このエスパルスの財を上げていく試金石になるかなと思います。その為には、私も含め営業の人間がもっとプロ意識を持って仕事ができるようなインフラを整えて、日常管理を徹底的に行う必要があります。ベルマーレでは小売業販売顔負けの日常管理をさせていただき、スタッフの努力で年商も上がりました。そして、昨シーズン(J2)優勝し昇格を果たしました。年商に比例して強化の予算も増やすことができました。したがって、そこの日常管理を強化していきたいと思います。

また、現有のフロントの戦力を見ると、営業に100%傾注できる戦力が必ずしも多くないということもわかりましたので、少しシフトしていきたいと考えています。営業で売りを作っていく空気感や文化を作るために、プロの営業社員の登用も含め営業部そのものの所帯を大きくし、グッズ販売など売上げに繋がるすべてを営業として位置付けることで、大営業本部というものを作っていき、そこで中心となって取りまとめる役割を竹内専務にお願いしたいと思っております。
(私が携わってきた)自動車業界では、営業担当取締役というのはエイタン(営担)と呼ばれています。エイタンという言葉は尊敬と敬意の念を持って社長も使いますし、部下も使います。業績を上げる大元ですので、場合によっては社長よりも偉い観念として扱われることもあります。そのような重要な役なので、誇りを持ってやっていただきたいと思います。

それからもう一つ、コストについても地域への投資は絶対に必要であると考えます。それだけここの地域はサッカーと日常が非常に近い誇るべき地域ではありますが、そうは言っても無駄なコストが横断的に精査されているかというと、財務諸表を見る限り必ずしもそうではないと身受けられます。今回は、コストの集中管理をして不公平感のない一括精査をするような組織やポジションを配置したいと思います。

最後に、職員の人たちには「売りの文化」を作っていく為に、相当厳しいことを言っていきます。その分財務諸表などの透明性を上げて、今、経営のバランスシートがどういった状況にあるのかということを職員と共有していきます。チームの状況は順位や成績ですぐに分かりますが、経営についても同じようにガラス張りにし、職員全員の頑張りがどのレベルにきているかというものを認識できるような管理をしていきたいと思います。一般的には、統制経営と言っていますが、この1年は集中的に販売とコストは管理していきたいと思います。

トップチームの浮揚に財は必要だということは言いましたが、言葉で言うのは簡単であり、それを継続することが一番重要であり難しいことです。それをする為には、これまでにない限界を超えた仕事を進めていくための熱が必要です。熱は反骨心から生まれくると私は考えています。F・マリノスやベルマーレでは色々な人の頑張りで優勝や昇格という経験をしてきております。ただ、それを成し得たものは一体どこになるのかな、と振り返って考えてみますと、F・マリノスに2001年に赴任して、その年に最終戦で残留を決めたという、その時の悔しさが、その後の鬼のようになって仕事をした、現場と関わりあった、熱が生まれた瞬間だったと思います。(残留を決めた後)おめでとう!・良かったね!・ありがとう!と言われましたが、それが悔しさを生みました。
ベルマーレも同じです。3度昇格して、(J2で)1回優勝していますが、この熱を持った瞬間は、やはり降格したその時だと思います。特に、今回昇格する前の年の降格の時にスタンドから温かい拍手が沸き起こりました。現場もフロントも、それをありがたいとは誰も思いませんでした。こんなものではないと。やはり、それも反骨心からでした。
昨年エスパルスは全く同じ経験をしております。折角貴重な経験をした訳ですから、その悔しさを熱に変えるということにこだわり続け、それを忘れずに高いハードルの仕事にぶつけていけば、絶対に今年は浮揚できると思っています。株主会社様にはこうした想いを受けていただいて、私が移籍するにあたり過分なご支援をいただいております。それにより、強化費につきましても、当初の予算よりも億単位で増やした予算で、強化部を動かしております。外国人につきましても、2人は獲得できるように、交渉を進めております。昨年の二の舞とならないように、チーム補強をしていかなければなりませんし、しっかり慎重にやるよう指示しています。多少長引いておりますが、皆さんに補強の報告ができるように頑張って参りたいと思います。

最後になりますが、大榎監督と事前に話をさせていただき、お互いの考えが1つで良かったことがあります。それは、90分は勝利以外のためには絶対に使わない。90分は前に向かって走り切るためのステージである。90分は、コンビネーションと怖さがベストミックスしたステージであるということです。細かい戦術や人選は現場が考えます。今言った指針はお客様に楽しんでいただき、ご納得いただき、熱狂していただくために、最低必要な部分だと思っています。大榎監督はフィジカルを鍛え直しておりますが、当たり前の事として最初にやっていただくメニューとしては満足しています。これからシーズンが始まっていきますが、フロントも同じように熱を持って戦い、シーズンが終わるときには納得できるシーズンだったという風に思ってもらえるような経営をしていきたいと思います。
皆様におかれましては、今後ともこのクラブ、チームを応援いただきますようお願い申し上げます。



質疑応答

<Q.今年度の年商目標や中長期的な目標があれば教えてください?>

J1の平均年商は30億。それで強化費比率が45%です。そうするとだいたいJ1での強化費は13億5,000万~14億ぐらいです。エスパルスの場合は40%ぐらいです。エスパルスは、地域貢献への投資に随分費やしておりますが、これは間違っていないと思います。その為、平均に追いつかせようとすると33億円という年商が必要となり、去年の見込みでいうとあと3億円程度は上乗せしなければいけない。これが当面の課題です。また、過去9年間でJ1のクラブの内、ベスト3に入ったクラブが平均で使っている強化費は17億5,000万円です。上は浦和レッズの22億から下はベガルタ仙台の10億5,000万とバラつきがあります。ベガルタさんは、2012年のシーズンにこの少ない強化費で2位に入っています。2012年は皆さんもご承知の通り、色々(な想いや力が)乗り移ってチームを押し上げていきました。エスパルスでは、まだ15億円を超えた強化費を割り当てたことはありませんが、3年ぐらいを目途に15億円から17億円を強化費に充てられるよう、それに準じた年商を獲得していきたいと思います。その為に、営業の強化の他、経営の多角化を目指したいと考えています。これはエスパルスの好不調にあまり振られない、世の中の景気にあまり振られない新しい事業を起こして、ベスト3に入るために必要な財を作っていきたいと思います。


<Q.マリノスでは2001年から3年目のシーズンで優勝しました。エスパルスでの目標をお聞かせください。>

今年、我々が優勝できなくはないと思っています。(F・マリノス2003年)就任3年目で優勝していますが、私がこだわっているのは2002年です。2001年の最終戦で残留を決めた悔しさの熱を2002年に生かし、開幕戦から13試合負けがありませんでした。鬼の形相のサッカーと言われたこともありました。チームは数ヶ月後で変われるものだと思っています。もちろん、補強もしましたが、補強だけで優勝争いできるチームになったかというと私はそうではなくて会社全体が持っていた熱、限界を超えた練習であり、限界を超えた仕事が自負のようなものとなり、変化へと繋がったと思います。今、私がエスパルスに一番伝えなければいけないことは、2001年から2002年にかけて起きた事象をエスパルスに置き換えて、何をしていかなければいけないかを伝えていきたい。


<Q.今までのエスパルスの組織上、強化部門の最高責任者が竹内前社長でしたが、そのまま左伴新社長が兼務するのか、ゼネラルマネージャーというポジションを作るのか、お聞かせください?>

強化のトップが誰なのかというのは、今はあまり考えていません。私はチーム方針については言いますが、餅は餅屋で、長い目で見ればGMというポジションは必要だと思います。ただ、すでにチームは始動していますし、現状残っている仕事は外国人選手の獲得だけなので、監督と話し合いフィッテイングして判断していくだけの作業ですので、私がやります。もう少し時間をおいて、監督と両輪となってチーム編成や予算のハンドリング、海外を含めたスカウティングができるプロを据えたいと思っています。


Q.大榎監督が残留を決めた後、10年先や20年先のビジョンを持った上で選手の育成や補強をしていかなければならないと話していましたが、そういったクラブのビジョンをお聞かせください。>

サッカーに特化した会社で株式運営すると限界があると思います。サッカービジネスというのは投資先行型です。年間で費用が先に決まって、その後に売上げがついてくるかどうかということ。したがって相当しっかり計画しておかないと、雨降った、選手がケガして補強が必要、いきなり景気が冷え込んでスポンサー様が離れたなど、色々な変動が後から起こってきます。会社のビジョンとしては、サッカーも大事ですが、プロスポーツ事業を養っていくためには、もう少し地域の方々と連動した新しい事業を展開していくという方針を持っています。言わば地域共生型の総合スポーツ産業といったものです。エスパルスは事業カテゴリーが多い皆様に支えられていますし、経営者の方々の理解も深く、長い間サッカーというものが熟成されていると思います。イギリスのクラブは地域でしっかり経営をして、サッカーだけに限らず色々な商材を地域の皆様に買ってもらって財を作りだしていますが、エスパルスもそれに近い形の地域共生型のクラブにしていくのが会社のビジョンです。


>>>会見の模様は、Orange-TV.jpでも放映いたします。 是非ご覧ください!